2006 Fiscal Year Annual Research Report
共生がもたらす超深海への適応:ナラクハナシガイ共生細菌の代謝機能解析
Project/Area Number |
17613010
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 義弘 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, サブリーダー (20344294)
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Keywords | 海洋生態 / 共焦点顕微鏡 / 共生 / 遺伝子 / 細菌 |
Research Abstract |
代謝に関する遺伝子発現を明らかにするための予備実験として,RT-PCR法を用いた解析を実施した.予備実験には多数の試料が必要であるため,イガイ科二枚貝のヒラノマクラを用いた.これはナラクハナシガイの手持ち個体数に限りがあること,また当面新たな採集ができる可能性の低いこと,ヒラノマクラは唯一室内繁殖の可能な化学合成共生二枚貝であることによる. ヒラノマクラの鰓からトータルRNAを抽出して逆転写後,シロウリガイ類/シンカイヒバリガイ類の硫黄細菌のSoxB遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRによる増幅を試みた結果,ヒラノマクラの鰓ではSoxB遺伝子が転写されていることを明らかにした. またナラクハナシガイ共生細菌Iと近縁であると推定したイガイ科二枚貝共生細菌の16SリボソームRNA遺伝子配列を多数決定し,既知のシロウリガイ類/シンカイヒバリガイ類の共生硫黄細菌を含めた分子系統解析を実施した.その結果,これまでシロウリガイ類の共生細菌とシンカイヒバリガイ類の共生硫黄細菌の中間的な系統学的位置を示すと推定していたナラクハナシガイ共生細菌Iはインド洋産インドシンカイヒバリガイの共生細菌と近縁であり,シロウリガイ類の共生細菌よりもヒバリガイ類の共生細菌に近縁であることが判明した.
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Research Products
(2 results)