2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽根 秀昭 東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (40134019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水木 敬明 東北大学, 情報シナジーセンター, 助教授 (90323089)
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Keywords | コンピュータ非依存暗号 / 安全な計算 / 暗号プロトコル |
Research Abstract |
現在、情報セキュリティを確保するために、暗号が広く用いられている。世の中で利用されているすべての暗号は、コンピュータ無しでは動かないといっても過言ではない。例えば、公開鍵暗号方式RSAにしても、共通鍵暗号方式AESにしても、コンピュータを使わずにメッセージの暗号化を行うことは、実用上、考えられない。それに対して、本研究では、コンピュータに依存せず、もっと身近で安価で扱い易い道具を使った暗号プロトコル、すなわちコンピュータ非依存暗号の考案・開発を目的とする。本年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果は以下の通りである。 1.これまで、Boer(1989年)や、Crepeau、Kilian(1994年)らの研究により、トランプのカードを用いることで、安全な計算を実現できることが知られている。現在知られているプロトコルで最も効率の良いものは、Stiglicが2001年に開発したAND計算プロトコルであり、このプロトコルを応用すると、XOR安全計算が12枚のカードで実行できる。本研究では、この既存のプロトコルを凌ぐプロトコルを開発することに成功した。すなわち、本研究では、10枚のカードでXOR計算を実現できる極めて単純なプロトコルを考案した。 2.本研究では、身近な道具のひとつである「ダイヤル錠」に注目し、ダイヤル錠を用いることによって、多人数での安全な計算が実現できることを示した。すなわち、ダイヤル錠による安全な計算プロトコルを考案した。また、ダイヤル錠によって計算可能な関数の特徴付けの解明を目指し、いくつかの必要条件や十分条件を発見した。
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