2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17650006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新城 靖 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (00253948)
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Keywords | 仮想計算機 / 分散型オペレーティング・システム / システム・コール / 遠隔手続き呼び出し / プロキシ / 準仮想化 / ソケットAPI |
Research Abstract |
本研究は、分散型OSの自動生成を目指すものである。そのために、平成17年度は、軽量仮想計算機(軽量VM、準仮想化)とプロキシを実現することを目標とした。平成18年度は、分散ハッシュ表よる耐故障性を実現することを目標とした。 軽量VMとは、大部分の機械語命令の実行を実計算機のCPUに任せ、一部の機械語命令やわずかな周辺装置のエミュレーションを行うものである。軽量VMの働きにより、本来は実計算機上の特権モードで動作するOSを、他のOS(ホストOSと呼ぶ)上のユーザ・プロセスとして実行することが可能になる。軽量VM上で動作するOSを、ゲストOSと呼ぶことにする。 平成18年度は、軽量VMは、システム・コールのうち、ネットワーク通信に関する部分のディスパッチャを実現した。これは、ゲストOS上のユーザ・プロセスが発行したシステム・コールを捕捉し、ローカルのホストOSに(引数を書き換えて)実行させるものである。このようなことが可能なのは、多くのOSがソケットAPIという標準化されたモデルを実装しているからである。これにより、ゲストOSで実行するよりも効率的なネットワーク通信が実現された。具体的には、1000Gビットのイーサネットにおいては、ネットワークのボトルネックになる程度の速度が得られた。また、平成18年度に実現することを目的にしていたプロキシは、実現できなかった。ローカルのホストOSで実行することに比べて、リモートの場合、アドレス空間が異なることから引数のアクセスが単純にはいかなかったことによる。 その他に、平成18年度では、それまでLinux, NetBSD, FreeBSDでしか動作しなかった仮想計算機をOpen Solaris上で動作させることに成功した。
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