2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650030
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
花原 和之 神戸大学, 工学部, 助教授 (70254430)
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Keywords | コミュニケーション / 単純音 / 手拍子 / ヒューマンインターフェース / ロボット |
Research Abstract |
本研究課題では,高性能の信号・情報処理システムを必要としない,単純な音信号による人間-ロボット,ならびにロボット-ロボットの一様な様式によるコミュニケーションを扱っている.このような観点から,コミュニケーション媒体として手拍子や単調なブザー音を用いることを基本としているが,ある程度の意味のある相互コミュニケーションを行うためには,なんらかの言語体系の構築が必要となる. 本年度は,このような目的のための言語体系,すなわち「手拍子言語」の構築のための基本的な検討課題として,主として下記の点について研究を行った. 1.基本文法の設計 自然言語の持つ豊富な文法仕様を通信容量が限られている手拍子言語に適用することはできない.そこで,このような低容量の媒体によるコミュニケーションに適用可能な簡易的な文法仕様を設計した. 2.二次元移動ロボットを対象とした手拍子言語の実装とシミュレーション環境での実験 実際に言語を実装し,コンピュータのブザー音と試作した手拍子センサを用いてシミュレーション環境でのコミュニケーション実験を行った. 3.簡単な移動ロボットへの実装 情報処理能力が限定されている,簡単な移動ロボットへの実装のための基本的検討を行った. 1.については,主語(主部)を想定せず述部を基本とする,通常の自然言語とはやや異なる構造の文法を設計した.これに基づく言語を実装した2.の実験では,コミュニケーション自体は可能ではあるものの,円滑なコミュニケーションのためには人間の側の習熟が大きな課題となることが示された.また,3.は,本研究の主たる目的の一つである,比較的限定された情報処理能力しか持たないロボットへの適用のための基本的検討である.
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