2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル生体データベース構築のための3次元生体画像領域分割技術の研究
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17650031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牧之内 顕文 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (30221576)
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Keywords | 3次元画像セグメンテーション / 3次元医療画像 / ディジタル生体データベース / 3次元画像領域分割 / ディジタルアナトミー / 領域拡張法 / モデルベースドセグメンテーション |
Research Abstract |
本研究課題は、MRIやCTスキャナーとう医療3次元画像から臓器など人体内部器官を抽出し、それを元に個人のディジタル生体アータベースを開発することを目的としている。3次元画像から目的とする器官を抽出するのは画像処理に於けるセグメンテーション技術として主に2次元画像を対象に行なわれてきた。 一般的な2次元画像としての写真などでは、被写体の構造や画像特徴が一般的には特定できない。そのような場合、色情報やエッジ・輪郭といった一般的な画像特徴量を利用する。一方、人体については、解剖学的知識の利用が考えられる。 本研究課題の本年度研究目標は、比較的単純な形の臓器を3次元医療画像から抽出するための多様なセグメンテーション手法の開発に置いた。対象臓器としては、心臓と肺を選んだ。一方、セグメンテーション手法としては、(1)画像の特徴量のみを用いる手法と(2)臓器の形状モデルを利用する手法の2つを試みた。 (1)画像特徴量のみを利用する手法 この手法に関しては、従来用いられてきた領域拡張法に基づく手法と画像をウォーターシュッド法で小領域に分割し、その後に類似領域を併合する手法に基づく手法の2種類の新しい手法を開発した。 (1-1)領域拡張法に基づく手法 本手法では、2段階領域拡張法(小領域単位とポクセル単位)および拡張時に利用する特徴量として利用する動的プログラミングヒストグラム距離とを提案し、その有効性を実験により確認した。 (1-2)ウォーターシュッド法に基づく手法 本手法では、Edge-markerの導入、小領域単位の拡大・縮小、小領域単位での領域再構築およびGraph-partitioningを導入し、従来手法を拡張した。本手法で、従来課題とされた点を少なからず克服できることを実験により確認した。しかし、十分満足する結果は得られなかった。 (2)臓器の形状モデルを利用する手法 対象臓器として心臓と肺を選び、Visible Humanカラー画像から両臓器を人手により抽出した。抽出した臓器画像からボクセルモデルをまず作り、そこからさらに(表面形状の)メッシュモデルを作成した。ついで、そのモテルを利用し、古賀病院から提供された胸部MRIおよびCTスキャナ画像から心臓と肺の抽出を試みた。利用した技術はアフィン位置合わせである。種々の工夫により、大まかな抽出に成功した。しかし、局所変換をしていないので取り出された臓器の形状は十分満足できるものではない。しかし、異なる人間の臓器モデルを利用してもある程度の臓器抽出が可能であるとの知見が得られたことは価値ある成果と思われる。
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Research Products
(4 results)