2005 Fiscal Year Annual Research Report
独立成分分析と機能的磁気共鳴画像法を用いた受容言語機能の客観的評価法の開発
Project/Area Number |
17650076
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高橋 俊光 順天堂大学, 医学部, 助手 (00250704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 茂 順天堂大学, 医学部, 教授 (00251231)
滝川 順子 順天堂大学, 医学部, 講師 (90053339)
石井 尚登 順天堂大学, 医学部, 講師 (50265998)
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Keywords | fMRI / 独立成分分析 / 受容言語 / 聴覚 / 脳機能 |
Research Abstract |
平成17年度は、方法論を確立することを目標とした。そのために、まず、MRI用聴覚刺激装置、音声データ編集ソフト、音声データ再生装置、データ保存機器等を揃え、実験・解析環境の整備を行った。その上で、本方法の妥当性と信頼性の向上を目指して、健常被験者を用いたfMRI実験を行い、使用する聴覚刺激材料、課題のデザインおよび解析プログラムの改良を重ねた。具体的には以下のとおりである。聴覚刺激材料として、外国語および日本語による朗読音声を作成した。また、課題デザインに、朗読の速度や再生の方向、言語の種類を変えた区間を組み入れることにより、聞こえてはいるが理解が不能あるいは低下するであろう区間をあらかじめ設定した。延べ25名の健常健常被験者に対し、この様な音声刺激を用いたfMRI実験を行った。収集したfMRIデータに対し独立成分分析を行い、先に設計した課題の"理解度の変化"と一貫性のある独立成分(「理解」の成分)および理解しているか否かに関わらず単に聞こえているという独立成分(「聞こえ」の成分)との抽出を試みた。途中の結果では、「理解」および「聞こえ」の独立成分が良好に分離して抽出できた例もあったが、しばしば、両成分の分離が良好ではない例もみられ、解析手法の不安定性が問題となった。この問題は、次の2つの工夫により改善できることがわかった。(1)解析対象領域を脳実質部に限定することにより、両独立成分の分離が劇的によくなった。(2)各fMRI画像のボリューム内のボクセル位置をいったん擬似ランダムな順番に再配置して、独立成分分析を行い、その出力結果のボクセル位置を元の位置に並べ直すという操作を行うことで、両独立成分の分離がさらによくなった。
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