| Research Abstract |
本研究は,インターネットへの無線接続(無線LAN,PHSパケット通信,インターネットへ接続可能な携帯電話)を活用した統計解析環境を提供するための基礎研究を行うものである。これは,街頭でのアンケート調査や交通量調査,あるいは植物の植生調査など,街中や構内などのあらゆる場所でデータを入力・アップロードし,リアルタイムに解析できる機能をもったシステムの構築を目指すものである。そこでは,モバイルである特徴を活かしたデータ収集と,集計・解析結果の表示方法を考えるとともに,データがアップロードされていくことにより作成されるデータベースについても,そのあり方を研究する。
本年度は,専用サーバを立ち上げ,データ収集・解析システムの開発に取りかかった。システムは,プロジェクト(データ収集の目的別グループ)を管理するProject Control,作業者を管理するStaff Control,実際のデータ収集シートの作成を行うData Collectionの3つの管理機能と,できあがった収集シートを実際にWebに公開し,データ収集を行う作業機能からなり,MySQL, PHP, Java Scriptで作成されている。管理機能では,さまざまなプロジェクトの同時進行が可能で,作業機能では,通常のPCだけでなく,携帯電話でもデータ収集ができるようにインタフェースを作成した。無線LAN環境下なら,無線ノートPCに加え,無線機能を搭載したポケットPCも利用したデータ収集が可能となったほか,無線LANがないところでも携帯電話による機動的なデータ収集が可能となった。
この基本構想について,国際会議で発表した。今後は,ドイツ・フンボルト大学の経済統計学科との研究交流や実際のデータ収集実験回数を増やすとともに,データベースへの登録機能を追加し,システムの完成度を高める予定である。
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