2005 Fiscal Year Annual Research Report
課題遂行中のサルにおけるボルタメトリー法による細胞外伝達物質の測定
Project/Area Number |
17650088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
筒井 健一郎 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (90396466)
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Keywords | サル / ボルタメトリ / 線条体 / ドーパミン |
Research Abstract |
本研究課題1年目となる本年は、記録電極の開発、および、被験体となる動物の訓練を行った。 従来、齧歯類からの記録に使われている炭素棒ガラス被覆電極を改良して、サルにも使用できる電極の開発を行った。齧歯類よりも厚くて硬い硬膜を突き刺しても破損することなく、また、脳の深部より安定して記録が行えるように、炭素棒先端を高圧放電で加工するとともに、電極のガラス被覆部分を厚く、長くした。また、種々の神経伝達物質のアゴニストやアンタゴニストをイオントフォレシス法で注入しながら同時にボルタメトリを行えるように、ボルタメトリ電極に1本から6本のガラス細管を合わせる加工も行った。現在、この電極の評価を主に齧歯類を用いてin vivoで行っているところである。 電極や記録装置の開発を進めるとともに、本実験で被験体となるサルの訓練も並行して行っている。ボタン押しを行っているサルに、条件刺激として視覚刺激を呈示してから数秒の遅延の後に、無条件刺激として、ジュースを与える課題を訓練した。特定の視覚刺激が、それぞれ、0%、20%、40%、60%、80%、および100%の報酬確率を示すようにした。 次年度以降には、このような課題を遂行中のサルが報酬を期待する度合いは、視覚刺激が呈示された時点で、その刺激が示す報酬確率に比例するはずである。黒質においてドーパミンニューロン活動の記録を行うとともに、その主な投射先である腹側線条体でボルタメトリーによって高時間解像度で細胞外ドーパミン濃度の測定を行うことによって、線条体におけるドーパミンの役割を詳しく調べることができるものと期待される。
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