2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット携帯型無線ボルタメトリーの開発と応用〜報酬予測におけるセロトニンの役割〜
Project/Area Number |
17650095
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中里 泰三 順天堂大学, 医学部, 講師 (80155697)
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Keywords | Dopamine / Serotonin / Voltammetry / Wireless / Reward |
Research Abstract |
ドーパミンは行動の直後に得られる即時的な報酬の誤差に関与していることが証明されてきた(Shultz,1998)。しかし、セロトニンに関しては、報酬予測の時間スケールを変えるのではないか(Doya,2002)という提案がモデル理論からようやく出てきた。つまりセロトニンは将来得られるであろう報酬まで予測する事が出来る場合には、すぐには報酬に結びつかない行動を選択関与しているかもしれない。このことから、最近社会問題化している"切れやすい子供"は、将来への期待、すなわちより大きな目標を選択した時に我慢ができなのではないかと考え、原因にセロトニンの関与が考えられるかもしれないことが推測された。この仮説の正しさを実験で証明するために実験上どうしても携帯型無線Voltammetryが必要となり、本年度萌芽研究資金を得てその開発を行ったのでその成果について報告する。 1.第1試作機:本研究者らの開発した神経伝達物質の濃度測定システムに応用し、完全な自由行動下でのラット研究の手段としての可能性を追求するため、携帯型コードレスvoltammetryの開発に成功した。CPU、Potentiostatなどからなる電気化学的電子回路を制御し、無線器、そして電源を搭載させたモジュールを作成に成功し。In vitroにおいてドーパミン、セロトニンに成功した。 2.さらなる小型化を図り、第3試作機まで作製した。 In vitroにおいてドーパミン、セロトニンに対する十分な感度と分離に成功した。 3.最近、これをラットに装着して、L-DOPA、5-hydroxytryptophaneを腹腔内投与してそれぞれドーパミン、セロトニン濃度変化を確認した。 4.現在さらなる小型化したもの(第4試作機)を作成中であるが、来年度よりこれをラットに装着して上記仮説を検証する動物実験を行う予定である。
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