2005 Fiscal Year Annual Research Report
PHドメイン含有分子と大脳皮質形成-網羅的検索と機能解析
Project/Area Number |
17650098
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Keywords | PH domain / フォスファチジルイノシトール / PIP3 / PIP2 / SHIP2 / 大脳皮質 / 脳室帯 / 細胞移動 |
Research Abstract |
大脳皮質の興奮性神経細胞は、大脳皮質内脳室帯にて生まれ、法線方向(脳表方向)に移動し、大脳皮質を構成する。この時、移動細胞は大きく形態を変化させる。すなわち、脳室帯内では双極性の形態をとり、移動途中の中間帯にて多極性へと細胞形態を変化させ、さらにその後極性を取り戻し双極性となり、さらには軸索、樹状突起を形成しながら移動、そして移動停止し、さらに複雑な形態へと成熟する。この一連の変化は大脳皮質形成、特に機能発現を担う脳内の適正な細胞配置にとり重要である。本研究では、このダイナミックな形態制御に細胞膜上の脂質(フォスファチジルイノシトール3リン酸など)が関わると考え、これら脂質に結合するドメインであるPH(pleckstrin homology)ドメインを有する分子を網羅的に検索・検討し、この過程を解明する。PHドメインは親和性の高い脂質の種類ごとに幾つかに分類され、この親和性の違いが脂質の多様な種類、分布に対応し、複雑な形態形成、移動を担っていると我々は考えている。 形成期のラット(マウス)大脳皮質において発現するPHドメインを検索している。 現在までに、フォスファチジルイノシトール3リン酸(PI(3,4,5)P_3)に非常に高い親和性を示すPHドメインをもつ分子と、フォスファチジルイノシトール2リン酸(PI(3,4)P_2)に高い親和性を示す分子の発現を確認している。これらの分子の各種フォスファチジルイノシトールへの親和性をリピッドストリップで確認を試みるとともに、これらの生成に関わる酵素の役割について検討を進めている。
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[Journal Article] Vlgr1 knockout-mice show audiogenic seizure susceptibility.2005
Author(s)
Yagi, H., Takamura, Y., Yoneda, T., Konno, D., Akagi, Y., Yoshida, K., Sato, M.
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Journal Title
J.Neurochem. 92
Pages: 191-202
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[Journal Article] Expression and characterization of disulfide bond use of oligomerized A2-Pancortins ; extracellular matrix constituents in the developing brain.2005
Author(s)
Ando, K., Nagano, T., Nakamura, A., Konno, D., Yagi, H., Sato, M
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Journal Title
Neuroscience 133
Pages: 947-957