2005 Fiscal Year Annual Research Report
特定中枢神経ネットワークのMRIによる非侵害的可視化技術の開発
Project/Area Number |
17650103
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井上 誠 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (60380987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 弘師 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00145674)
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Keywords | 可視化 / WGA / ネットワーク / 初代培養細胞 / 神経回路 / ミオグロビン / 蛍光蛋白質 / MRI |
Research Abstract |
1)培養神経細胞における神経ネットワーク可視化評価系の確立。EGFP遺伝子発現ベクターとDsRed2遺伝子発現ベクターを海馬初代培養細胞あるいは分化したPC12培養細胞にリポフェクタミンを用い同時に遺伝子導入したところ、両蛍光シグナルが観察されない細胞が観察された。そこで、2つのCMVプロモーターを持つ発現ベクターにEGFPとDsRed2遺伝子をクローニングし導入したところ、すべての細胞で両シグナルが観察された。次に、この発現ベクターにシナプス経輸送する性質を持つWGA蛋白質とEGFPの融合蛋白質遺伝子とDsRed2遺伝子をクローニングし導入したところ、DsRed2とEGFPシグナルを示す細胞群と、ベジクル様のEGFPシグナルのみを示す細胞群が観察された。従って、WGA蛋白質の性質と同様に、WGA-EGFP融合蛋白質は神経ネットワークを介し、他の細胞にシナプス経輸送されることが判明した。このことはまた、このWGAとEGFPを融合する際に構築した配列はWGA機能に影響を及ぼさない可能性が示唆された。 2)WGA-ミオグロビン遺伝子の構築と機能解析。PCR法を用いマウス脳cDNAからミオグロビン遺伝子を増幅し、WGAとEGFP融合蛋白質遺伝子と同じ融合配列になる様にこれをWGA発現ベクターにクローニングした。次に、このWGA-ミオグロビン融合蛋白質遺伝子発現ベクターを分化したPC12培養細胞に遺伝子導入し、WGA抗体を用い染色したところ、ベジクル様シグナルが観察された。従って、ミオグロビン遺伝子との融合においても、WGA蛋白質の性質を変えないことが判明した。従って、この構築したWGA-ミオグロビン遺伝子を特異的領域に遺伝子導入し、ミオグロビンによる鉄吸着に伴う磁気共鳴シグナル低下を利用して、その領域からの神経ネットワークをMRIにより非侵襲的に可視化できる可能性が示唆された。
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