2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖修飾異常型筋ジストロフィーの治療に資する二価人工抗体の開発
Project/Area Number |
17650105
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 寅彦 日本大学, 医学部, 助教授 (90171785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 則幸 日本大学, ポスト・ドクター (40392427)
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Keywords | diabody / single chain Fv / 人工抗体 / 筋ジストロフィー / ジストログリカン / ラミニン |
Research Abstract |
<目的> 申請者は、本邦に多い福山型筋ジストロフィーを始めとする糖鎖修飾異常型筋ジストロフィーに対して、全く新しい原理に基く治療法であるラミニン分子繋留法を開発中である。本研究では、ラミニン分子繋留法の中心的治療ツールとなる、αジストログリカン(αDG)並びにラミニン(LN)α2サブユニットの両者に結合活性を持つ、二価の人工抗体(diabody。人工抗体とはsingle chain Fv[scFv]とその誘導体の意)を開発することを目的とした。 <研究成果> 1.まず、マウス人工抗体ライブラリーを作製し(田中他、Nihon Univ J Med 2005)、リコンビナント抗原を用いて抗αDGscFvならびに抗LNα2人工抗体(scFv)の選別を行った。後者については、α2鎖のG4ドメインとG5ドメインの二種類の抗原を用いた。いずれについても抗原特異的scFvが得られ、さらにCDR3ランダム化により、アフィニティ増強を試みた。最終的に抗αDGscFvとして、1pgのリコンビナントDGの検出が可能な、高アフィニティのクローンを得た。抗L NscFvについては、抗G4、抗G5scFvとも1ng程度のリコンビナントLNを検出可能なクローンを得た。これらのscFvの配列に基き、抗αDG-抗LNG4および抗αDG-抗LNG5diabodyを作製した。いずれのdiabodyも成功裡に得られ、それぞれのdiabodyが目的とする二種類の抗原に反応することがin vitroで確認された。これらのdiabodyを用いて、αDGを発現させた培養細胞系にdiabodyとLNを添加し、細胞表面にLNを結合させることができるかを現在検討している。 2.上記の高アフィニティ抗αDG人工抗体を用いた解析により、DG前駆体の切断が起こるために、DGの立体構造が重要であることを明らかにした(論文投稿中)。
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