2005 Fiscal Year Annual Research Report
In Vivo Patch Clamp法を用いた感覚神経侵害受容機構の解析
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17650114
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
八木 淳一 杏林大学, 医学部, 講師 (90265760)
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Keywords | 痛覚 / 侵害受容 / パッチクランプ記録 / 後根神経節 / 酸感受性イオンチャネル |
Research Abstract |
本研究は、侵害受容感覚ニューロンに発現する様々な受容体・イオンチャネルがそれぞれどのような役割を担い、侵害情報の受容と符号化が達成されるのか、そのメカニズムを「生体のレベル」で解明することを目的としている。そこで、受容体・イオンチャネルの分子レベルでの働きと感覚神経の受容野応答特性を統合的に解析するために、脊髄後根神経節(DRG)ニューロンのホールセルパッチクランプ記録をin vivo標本で行う新規の技法の開発を進めている。すでに皮膚を支配するDRGニューロンからの記録についてはその実験法を確立しているが、平成17年度は萌芽研究の補助金交付を受け、骨格筋を支配するDRGニューロンを対象とした記録法の開発に着手した。ラットの腓腹筋に予め神経トレーサーDilを注入し、腓腹筋を支配するDRGニューロンを標識する。麻酔下のラットを顕微鏡ステージに固定し、DRGニューロンを視覚化する。Dilにて標識されたDRGニューロンからパッチクランプ記録を行う。これまでに、この記録の成功には至ったが、記録の成功率と安定性を上げるため、ラットの手術法および固定法にはさらなる改良が必要である。 骨格筋が虚血に陥ると強い痛みを感ずる。この痛みの発生機序について、「酸感受性イオンチャネル(ASIC)を高密度に発現する侵害受容性DRGニューロンが、虚血による組織酸性化を感知して起こる」との仮説を立てた。今後、骨格筋を支配するDRGニューロンからの記録法を確立し、この仮説の検証を行う予定である。
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