2005 Fiscal Year Annual Research Report
サカナの自然免疫:がん、感染症に関与する環境因子探索のモデル系の構築
Project/Area Number |
17650117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬谷 司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10301805)
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Keywords | サカナTLR / 感染症 / がん / ヒト疾患モデル動物 / ノックダウン / 樹状細胞 |
Research Abstract |
自然免疫の研究をToll-like receptor(微生物成分のパターン認識レセプター)を焦点に進めた結果、細胞や遺伝子を超えた個体生物系を持たねば疾患の解明に迫れないし、微生物環境も解析し難いと考えた。Syetem biologyの系をサカナ(メダカ、ゼブラ)で立ち上げる系を確立すべく本申請を企画した。以下の研究を遂行中である。 フグゲノムから得られたTLRとヒトTLRを構造・機能の面から比較検討した。フグはヒトに無いTLR,14,21,22,23と可溶型のTLR5(TLR5S)を保有する。TLR5Sについては辻田、瀬谷(JBC,2004)がflagellin応答増幅因子として報告した。TLR21は細菌のある種のlipoproteinを認識してNF-kBを活性化しうる。TLR22は2重鎖RNAを認識してサカナTICAM(サカナは1種しかTICAMを発現しない)を活性化する。従って細胞応答はTLR22のみがtype I interferon(IFN)を誘導する。TLR14に利元祖は未同定である。以上の結果はフグはヒトに匹敵するTLR遺伝子群をもつこと、これらのTLRは基本的にヒトのTLRと機能的にも比較可能であることを検証した。メダカまたはゼブラでこれらの相同遺伝子を同定し、生体防御に必須か否かを査定する。査定法としてはRNAi gene silencingの手法で受精卵の標的遺伝子をノックダウンすることを考えている。現在試行中である。蛋白解析はLC-Mas、TOF-Masを駆使以上からヒトの生体防御応答を環境因子を加味してサカナの系で解析すること、結果をヒトの病態解析に応用するヒト疾患のモデル動物として自然免疫をシステム化できるかを検討中である。
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Research Products
(16 results)