2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神保 泰彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20372401)
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Keywords | 脳スライス / 器官培養 / 網膜 / ニューロン / ニューロン / 電極アレイ |
Research Abstract |
神経回路電気活動の時空間計測手法である電極アレイ法を利用し、この基板上での網膜-視床(上丘)-大脳皮質視覚野から成る視覚情報処理系再構成を目指す。基板電極を通じた電気活動記録・刺激により、系を構成する各段階における情報処理機能とその可塑性に関する知見を得ること、その延長上に再生医療への応用を想定している。計画2年目の平成18年度は、(1)網膜切片試料からの電気活動記録、(2)視覚系の構成要素の電極アレイ基板上での培養条件、の2点にっき検討した。 (1)ラットから採取した網膜試料について、自発活動、電気刺激による誘発応答、光刺激による誘発応答記録を試みた。自発電気活動、電気刺激に対する応答は、電極基板法で安定した記録が可能であることが確認できた。光刺激に対する応答は、試料の発達段階に強く依存するという結果になった。新生ラットから採取した試料では光応答は観測されなかった。4週齢のラットから採取した急性試料に対しては、光刺激のON/OFFに対応すると考えられる応答が確認された。 (2)網膜と上丘切片試料につき培養条件の検討及び電気活動記録を試みた。網膜試料では、培養環境下での神経突起の伸長、自発活動の発生を確認した。上丘試料についても単独での培養条件を確立し、自発活動記録も可能であることを確かめた。ついで両者の共培養を試みたが、現段階では形態的な結合には至らず、これについては今後引き続き検討を進める。
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