2005 Fiscal Year Annual Research Report
アビジン・ビオチン反応を利用した階層構造を持つ三次元組織ユニットの作製
Project/Area Number |
17650130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00235128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 伸彦 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90342956)
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Keywords | 組織工学 / 肝組織工学 / アビジン・ビオチン結合 |
Research Abstract |
本研究では,親和定数がK_a=10^<15>Mと非常に高い生体分子,アビジンとビオチンの結合力を用いて,特に肝組織などを例として,組織三次元構造のin vitro再構築を短時間で行う手法を試みるのが目的である。 本年度の実施計画として,肝組織の階層構造(肝細胞+血管内皮細胞)に焦点を当てて,ポリ乳酸コートディッシュおよびポリ乳酸多孔質スポンジに対して,重層構造の迅速付与を試みた。ヒト肝ガン細胞株であるHep G2をビオチン化し,アビジンを吸着したポリ乳酸コートディッシュに迅速に接着させることが出来た。続いてアビジン化したヒト臍帯静脈血管内皮細胞:HUVECを重層させ,これも10分程度で重層化出来ることが分かった。しかしながら,この二層の細胞をそのままの状態で培養することは困難であり,翌日には上層のHUVECが網目状の構造を取り,あたかも管腔を形成しているように観察された。これはHep G2が分泌するECMなどが原因になっていると考えられた。 二次元の実験で上記のような結果となった為,現時点では当初予定していた三次元担体に関する検討に関しては行っていないが,担体表面に対して短期間的に異種細胞を効率よく二層化させる技術としては十分意味があると考えられ,二層化の後に生じるリモデリングを積極的に利用することで,より高度な階層構造を持つ組織を作製できると考えている。
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