2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 国際・産学協同研究センター, 教授 (70167584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉江 尚子 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20224678)
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Keywords | シクロデキストリン / ポリエチレングリコール / ポリアミド / 包接化合物 / ゲル / 物理ゲル / ロタキサン |
Research Abstract |
D-グルコースの環状オリゴ糖であるシクロデキストリン(cyclodextrin ; CD)とポリエチレングリコール(polyethyleneglycol ; PEG)から合成される高分子化合物の構造解析を目的として行った。CDは溶液中でPEGと包接化合物を形成し、ロタキサンを形成することが報告されている。従って、アミノ基を導入したCDと両末端にカルボキシル基を導入したPEGを溶液中で縮合した場合、両者から成る包接化合物はアミノ基とカルボキシル基を有することが予想され、包接化合物間で縮合反応が起こると、CD分子が動く架橋点となる高分子化合物が生成することが考えられた。このような、動く架橋点を有するポリマーは現在までにほとんど合成されておらず、構造を詳細に明らかにすることは大変興味深い。我々が、アミノ基を1つ導入したαCD(NH_2-αCD)と両末端にカルボキシル基を導入したPEG(PEG-diCOOH)を縮合することにより得た縮合生成物中には、CD-PEG包接構造が含まれ、分子量が増加した高分子化合物が含まれていることが見出され、溶液中でNH_2-αCDとPEG-diCOOHが包接化合物を形成したことが分かった。また、アミノ基を2つ導入したαCD(diNH_2-αCD)PEG-diCOOHを縮合すると透明なゲルが得られた。得られたゲルは、水中で膨潤し、60℃〜100℃で加熱するとゾル化し、2度とゲルには戻らない物理ゲルであった。diNH_2-αCDとPEG-diCOOHが包接化合物を形成すると、2個以上のアミノ基と2つのカルボキシル基を有する包接化合物であるため、3次元ネットワークの形成がゲル化の主要因であると考えられたが、もし、ネットワークが形成されていればポリアクリルアミドゲルに代表される化学ゲルと同等の構造を有するので、アミド結合が切断しない限りゾル化は考えにくい。ゲル構造の詳細については現在検討中である。
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Research Products
(8 results)