2005 Fiscal Year Annual Research Report
非天然膜糖鎖認識を介した新しい薬物輸送システムの開拓
Project/Area Number |
17650132
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
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Keywords | 両親媒性ポリマー / ナノ粒子 / 標的指向型薬物キャリア / ポリホスフェート / リビングラジカル重合 / 生分解性ポリマー / ホスホリルコリンポリマー / 生体適合性 |
Research Abstract |
本研究では能動的薬物輸送を可能にするポリマーマテリアルの調製と薬物送達システムを新たに創出することを目的としている。研究費の希望交付期間は2年とし、初年度は生体内で異物として認識されず、かつ標的細胞の細胞膜糖鎖を特異的に認識するポリマーの合成ならびにナノ粒子状の薬物キャリアの調製について検討した。 反応性基を両親媒性リン脂質ポリマーの合成 疎水性かつ生分解性のポリホスフェートを開環重合により合成し、ポリホスフェートから原子移動ラジカル重合法により櫛状に2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を重合した。この重合末端からメタクリロイルヒドラジドまたは2-ラクトノビオンアミドエチルメタクリレート(LAMA)をさらに重合し、ブロックコポリマーを側鎖に持つ両親媒性グラフトコポリマーを合成した。NMR解析やゲル浸透クロマトグラフィーによりポリマーの構造解析を行った結果、仕込みの条件や重合時間の制御により、様々な分子構造を持つ精密に合成できることが明らかとなった。この成果の一部は、Biomacromolecules誌で近く報告される予定である。 ポリマーナノ粒子の調製 この両親媒性リン脂質ポリマーを可溶化剤として用い、脂溶性抗がん剤を内包したポリマーナノ粒子を調製した。ナノ粒子の性質を動的光散乱装置や多角度レーザ光散乱検出器、X線光電子分光計、原子間力顕微鏡などを用いて調べたところ、グラフトコポリマーの分子構造により会合してできるナノ粒子のサイズや密度が異なることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)