2006 Fiscal Year Annual Research Report
非天然膜糖鎖認識を介した新しい薬物輸送システムの開拓
Project/Area Number |
17650132
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
|
Keywords | 両親媒性ポリマー / ナノ粒子 / 標的指向型薬物キャリア / ポリホスフェート / リビングラジカル重合 / 生分解性ポリマー / ホスホリルコリンポリマー / 生体適合性 |
Research Abstract |
標識となる非天然糖鎖を細胞膜上に誘導する。N-レブリノマンノサミン(ManLev)を既報に従い合成した。モデル細胞としてヒト子宮頸癌細胞(HeLa細胞)を用いた。10%ウシ胎児血清を含む培地(Minimum Essetial Medium)に、最終濃度10mMになるようMaLeVを添加し、この培地中でHeLa細胞を3日間培養した。ManLevの細胞内代謝にともなう糖鎖へのケトン基の発現を、ヒドラジド基をもつ蛍光色素(Alexa Fluor 350 hydrazide)を用いて確認した。 ManLevを処理してケトン基を誘導した細胞を新鮮な培地に移した後、ヒドラジド基を表面にもつリン脂質ポリマーナノ微粒子を添加した。ナノ粒子の内部に予め蛍光物質(Nile Red)を内包させることにより、蛍光顕微鏡(現有設備)で、粒子の集積具合を追跡した。ヒドラジド基を持つ粒子は非天然糖鎖を誘導した細胞に集積することが認められたが、ヒドラジド基を持たないナノ粒子もしくは非天然糖鎖を誘導しなかった細胞ではナノ粒子の細胞集積は認められなかった。トルイジンブル一法による細胞毒性試験では、ナノ粒子自身の細胞毒性は認められなかった。一方、ナノ粒子の内部に代表的な脂溶性抗ガン剤を封入し、細胞に接触させたところ、細胞集積が起こった条件で効果的に細胞毒性が発現された。以上の結果から、細胞膜糖鎖と選択的に反応するナノ粒子により標的の細胞を効果的に攻撃できる新たなマテリアルとシステムを伴に構築することができた。
|
Research Products
(1 results)