2006 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質ナノ構造体の構築と細胞対話型薬物キャリアへの応用
Project/Area Number |
17650140
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 正治 九州大学, 医学研究院, 客員助教授 (30304744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 誠 九州大学, 医学研究院, 教授 (90198664)
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Keywords | DDS / ナノサイエンス / 遺伝子組み換え / プロテアーゼ |
Research Abstract |
標的細胞への的確な薬物輸送(ドラッグデリバリーシステム,DDS)は、副作用の低減と投与量の減少を通じて従来の医療に大きな改善をもたらすであろう。本研究では古細菌に由来するMj285を用いてナノサイズの球状構造体を構築し、これを疾病に由来する細胞内シグナルの変化によって崩壊させるシステムをつくる。このユニークな材料と新しいコンセプトに基づくターゲッティングにより、薬物療法における治療効果の向上と患者のQOL改善を目指す。これまでDDSにおける薬物キャリアとして様々な材料が試されてきたが、その標的細胞特異性には依然問題が残されている。そこで本研究では分子生物学的手法を駆使することによって組み換えMj285を作成し、その24量体から構築される球状構造体を得る。この外径15nmのナノ構造体は内孔径8nmの空孔を有するため、そこに薬物や遺伝子を内包させることが可能である。本研究では古細菌Methanococcusjannaschiiに由来するMj285が形成する球状構造体に着目し、その構造制御を目的とする。昨年度までにMethanococcusjannaschiiゲノムを鋳型として、天然型Mj285の遺伝子クローニングと大腸菌からの大量発現に成功した。本年度は、血中に存在する代表的なプロテアーゼであるファクターXaの基質配列を組み込んだ変異型Mj285を作製した。基質配列の挿入部位はX線結晶構造を参考にして、PCR法によって変異部位を挿入した。光散乱法によって測定したところ、この変異型Mj285の一部は安定な球状構造体を形成し、さらにファクターXaによって消化されることにより、その構造が不安定になることが確認された。これらの成果は、プロテアーゼによってタンパク質ナノ粒子を特異的に崩壊させうることを示唆しており、新しい薬物輸送キャリアとしての応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)