2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650145
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 純司 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (60200721)
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20274227)
高木 充弘 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (90267493)
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Keywords | 3次元細胞培養 / インテグリン / キトサン / ペプチド / 細胞接着 / 神経突起伸長 / マトリックス |
Research Abstract |
3次元での細胞培養が可能なゲル「ペプチドマトリックス」を作成し、再生医学や組織工学分野に応用可能な医用生体材料を創製することを目的に研究を行った。まず、インテグリンと相互作用するペプチドを多糖類のキトサンの膜に固定化し、細胞接着に及ぼす影響を測定した。FIB1(YAVTGRGDSPAS)とA99(AGTFALRGDNPQG)はαvβ3インテグリンと相互作用し、EF1zz(ATLQLQEGRLHFXFDLGKGR)、531(GEFYFDLRLKGDKY)はそれぞれα2β1、α3β1インテグリンと相互作用することが知られている。各ペプチドをキトサン膜に二価官能試薬を用いて固定化し、ペプチド-キトサン膜を作成した。ヒト線維芽細胞を用いて細胞接着活性を測定したところ、4種類すべてのペプチド-キトサン膜に細胞接着活性があることがわかった。キトサン膜のみでは細胞接着活性は認められなかったことから、この細胞接着活性はキトサン膜に固定化されているペプチドによるものであることがわかった。また、FIB1やA99ペプチドではプレートにコートしただけでは細胞接着活性がほとんど見られなかったことから、ペプチドをキトサン膜に固定化することによってその活性は増強されることがわかった。次に、ヒト線維芽細胞とマウス筋芽細胞を用いて接着細胞の形態を観察したところ、細胞種特異的あるいはペプチド特異的に細胞形態に違いが認められた。さらに、ラット副腎髄質クロム親和性細胞(PC12)を用いてペプチド-キトサン膜の神経突起伸長に及ぼす影響を調べたところ、A99-とFIB1-キトサン膜上において神経突起伸長の促進活性が見られたが、EF1zz-とC531-キトサン膜上では活性が見られなかった。これらの結果より、ペプチドの作用するインテグリンの種類によってキトサン膜上での活性がコントロールされることがわかった。
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Research Products
(4 results)