2007 Fiscal Year Annual Research Report
介護労働における災害を防ぐための介護技術に関する研究
Project/Area Number |
17650166
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
幅田 智也 Kitasato University, 医療衛生学部, 講師 (20286389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 憲義 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20265739)
渡邉 誠 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50348603)
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Keywords | 介護 / 介護技術 / ガス分析 / エネルギー消費量 / 労働災害 |
Research Abstract |
平成17年度に日本国内で行われている介護技術とヨーロッパにおける介護動作技術の比較を人間工学的、運動力学的分析にて介護動作の研究を行った。具体的には介護動作技術の動作分析を中心的に行い、包括的作業研究の「生活環境一人システム」領域を主に研究した。18年度は包括的作業学の「生物有機体システム」領域における内容で介護動作の研究で行った。内容は介護動作技術が、介護者に与える包括的な作業負担をどのように評価するかを中心に研究した。わが国の介護福祉士国家資格試験に準じた介護技術を実施した時に失われる介護者のエネルギー消費量が、介護技術評価の方法として考えられた。19年度は、この時に確立させた評価法を使用し行った。介護動作技術は、被介護者の車椅子座位からベッドの端座位姿勢への身体位置移乗のための介護動作とした。ベッドでの端座位は普遍性を持たせるためプラットホーム(45cm高の台)に統一した。この条件下にてプラットホーム端座位から車椅子座位への移乗介助、移動距離平地5mの車椅子移動介助、車椅子座位からプラットホーム端座位への移乗介助の一連の全3行程を移乗介護動作とした。そして、この時の介護者のエネルギー消費量を測定し定量的な介護動作の負担量とした。課題動作の全行程の間、介護者に対してフェイスマスクを装着させ、それより呼気ガスを採取した。採取した呼気ガスはダグラスバッグにて収集する方法にて行った。その後、排出した呼気ガスを分析し課題の介護動作である移乗介護動作で要した消費エネルギーを算出した。対象者は健常成入34人平均年齢21.3歳、男性13人、女性21人にて5分間、介護動作を行わせた。結果は、介護動作時に要したエネルギー代謝率(RMR)男性3.4、女性3.2であった。代謝当(METs)は、男性3.8、女性3.6、自覚的運動強度(RPE)男性13.4、女性14.0であった。以上のように、この介護動作は、男女共にPRE13〜14の「ややきっい動作」と言え、RMR、METsからは、軽作業や軽スポーツと同等の作業負荷量であることが理解できた。介護の事故の4%は、移動の介護中に発生しているとする神奈川県報告がある。本研究の成果より、今後の課題として同じ介護内容であっても、より負担の少ない方法と危険性の少ない方法を分析的に説明し提案していくことが課題と言えた。
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Research Products
(2 results)