2005 Fiscal Year Annual Research Report
言語発達障害の原因遺伝子検索および大脳機能に関する臨床的研究
Project/Area Number |
17650172
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
平岡 崇 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20351926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 陽一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30286661)
熊倉 勇美 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60309606)
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
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Keywords | 発達性言語障害 / 自閉症 / FOXP2 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
先天性、遺伝性の言語障害患者および正常篤志者の末梢血からゲノムDNAを抽出し、FOXP2遺伝子の全エクソン領域をPCR法で解析し、変異の有無を検出した。変異があれば正常対照群において同じ多型が存在するか否かを確認した。症例の集積を平岡、熊倉が、遺伝子解析は青柳が主に担当した。 非言語性IQが比較的正常に近い43症例を臨床的に分類した上で、末梢血からゲノムDNAを抽出し、全エクソン領域(17エクソン)をPCR後ダイレクトシークエンスにて解析し、変異の有無を検討した。自閉症18例、表出性言語障害15例、受容-表出混合性障害6例、注意欠陥/多動性障害1例、学習障害(読字障害)1例、上記の何れにも当てはまらない軽度精神遅滞患者2例およびその家族と、正常対照として81例(男性43例、女性38例)の解析を行った。疾患群のうち家族歴を有するものは4例であった(兄弟3例、従兄弟1例)。解析の結果、エクソン5のCAA欠損が疾患群に4例と正常対照に4例、15エクソンのイントロン/エクソン境界部分における1塩基(T)挿入が疾患群に3例と正常対照に9例見つかった。この2つの変異の保有率に関して、疾患群と正常対照の間に統計学的有意差は認めなかった。またエクソン5のポリグルタミンストレッチにおけるCAG挿入が正常対照にのみ2例存在した。既存のR553H変異(Nature 413:519-523, 2001)は検出されなかった。日本人を対象に初めてFOXP2の解析を行ったLiら(Brain Dev 27:207-10, 2005)は、イントロン15のG→T変異が自閉症患者で有意に高かったことを報告しているが、われわれの解析結果では疾患群と正常対照の間に有意差を認めなかった。
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