2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本,韓国,台湾の青少年における問題行動,健康の社会・文化的要因に関する比較研究
Project/Area Number |
17650199
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葉養 正明 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30114119)
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30296545)
中澤 智恵 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00272625)
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 地域環境 / 居場所 / 学校環境 / 国際比較研究 / 質的テーマ分析 / 中・高校生 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
平成17年度は、中学生、高校生自身が身近な地域環境、家族環境、対人的環境をどのように認知しているのか、台湾語、韓国語に翻訳して、日本を含めた3力国で中学2年生、高校2年生を対象に、各国の各学年それぞれ100名以上の回答を得た。17年度から18年度にかけて台湾語、韓国語の自由回答を翻訳し、平成18年度はその質的分析を行った。まず、地域環境(neighborhood)、居場所と学校環境の分析を行った。問題と思う地域環境においては、コード化とカテゴライズを行った結果、「不審者・危険を感じさせる集団」「公共の場でのマナー違反・規範のなさ」「近隣の人間関係の希薄さ」「衛生環境を汚す動物・ペット・野鳥」「公共施設の整備とアクセスの問題」「街の衛生的環境上の問題」「街の景観・自然と風紀の問題」「交通事故や犯罪など地域の安全と防犯」「近隣の物理的環境と利便性の問題」9つのテーマが抽出された。逆に、地域の良い点は、先にあげた問題点の反対の側面である。さらに、地域の自慢として誇れる「街のシンボル」があげられた。居場所については、回答が多かったのは、「コンビニエンス・ストア」と「店」である。このほか、「飲食店」や「ゲーム・メディア関係の店」、「娯楽施設」、商業施設以外では「塾」があげられていた。学校環境では、良い点では6カテゴリーが抽出できた。「学校における人間関係の結びつき」「生徒の活動」「学業・教育の質」「適切な規範」「学校の施設設備と環境」「学校の雰囲気」である。他方、学校環境の問題点は、先の6つの要素が不良好であることに加え、「危険」があげられた。この研究成果の発表を、2007年の第19回IUHPE国際会議で行う予定である。質的分析を踏まえ、中学・高校生のソーシャルキャピタルと健康の関連を検討する質問紙を作成し、日本では宮古市と市川市で調査を実施した。台湾でも実施中である。
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