2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本、韓国、台湾の青少年における問題行動、健康の社会・文化的要因に関する比較研究
Project/Area Number |
17650199
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
朝倉 隆司 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (00183731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葉養 正明 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30114119)
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30296545)
中澤 智恵 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00272625)
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 信頼感 / 中学・高校生 / 地域環境 / 学校環境 / 家庭環境 / ライフチャンス / 国際比較 |
Research Abstract |
平成19年度には、バンクーバー(カナダ)で開催された第19回IUHPE国際会議で、"Qualitative research on early adolescents'views of their neighborhood environments and neighborhood-based social capital in Japan, Korea, and Taiwan."と"Early adolescents'views about their school and school-based social capital in Japan, Korea, and Taiwan"の2本の研究発表を行った。これらの研究は、中学高校生が地域環境、学校環境をどのように認識しているかを明らかにしたものである。いくらか、社会文化により日本と韓国、台湾では異なる面があったものの、かなり類似していることが明らかになった。すなわち、同一の質問紙調査票で量的に調査し、比較検討が可能であることが示された。 そこで、中学・高校生のソーシャルキャピタルと健康の関連を検討する質問紙を、日本語から台湾語と韓国語に翻訳し、4月に台北市(台湾)、7月にはソウル市(大韓民国)の中学、高校で調査を行った。さらに、日本の大都市部の学校のデータを補うため、9月から11月にかけて国分寺市、杉並区の中学校で実施した。日本では中学生2,002人、台北市では中高生1,029人、ソウル市では中高生420人の回答が得られた。まだ、分析の途上であるが、たとえばソーシャルキャピタル概念の中核である一般的信頼感「世の中のたいていの人は信頼できる」は、宮古市の中学生では55.5%が「あまり/全くあてはまらない」と回答していた。大都市部近郊の市川市では62.1%、都心の杉並区では64.9%と不信の割合がやや高いが、郊外の国分寺市では55.6%であった。また、一般的信頼感(低いほど高スコア)とCES-Dによる抑うつ度の関係を、性別をコントロールした偏相関係数で検討した結果、0.24〜0.35(p<0.0001)と有意な関連が認められた。地域環境が、生徒の一般的信頼感に影響し、精神健康を左右する要因となっていると推測された。今後、台湾、韓国のデータを合わせて詳細な分析を行い、関連性を実証していく予定である。
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[Presentation] Early adolescents'views about their school and school-based social capital in Japan, Korea, and Taiwan2007
Author(s)
Takehana, Y., Asakura, T., Nakazawa, C., and Hayo, M.
Organizer
International Union for Health Promotion and Education 2007 Conference
Place of Presentation
Vancouver, BC Canada
Year and Date
2007-06-11