2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650202
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
守山 敏樹 大阪大学, 保健センター, 教授 (30283815)
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Keywords | 血尿 / 蛋白尿 / 腹囲 / 微量アルブミン / メタボリックシンドローム / IgA腎症 |
Research Abstract |
平成17年度実施の大阪大学学生健康診断において、受診者数は14570名であった。健康診断項目は身長・体重、血圧、胸部レントゲン撮影、試験紙法による尿検査(随時尿)および問診である。一次尿検査において蛋白尿1+以上かつ/または血尿1+以上を示した学生を二次検尿(起床時尿)対象者とした。一次検尿陽性者数は670名であり陽性率は4.6%であった。670名中586名が起床時尿による二次検尿を受検した。これら586名中117名が陽性所見を示した(基準は一次尿と同様)。二次検査陽性率は全受検者に対して0.8%であり、二次検尿受検者に対しては20%であった。二次検尿陽性者は全員内科呼び出し対象者であり、117名中105名が保健センター内科外来受診となった。受診者に対して、問診、血液検査(Na、K、Cl、Cr、UN、UA、IgA、C3、ASO、末梢血)、尿検査(尿蛋白定量、微量アルブミン、クレアチニン)、血圧、内科診察、扁桃肥大の有無、を実施し、腎生検、経過観察の判別を行った。血尿、顕性蛋白尿の持続した症例は詳細な説明の後、インフォームドコンセント取得し、大阪大学医学部附属病院腎臓内科にて腎生検を実施した。4例が対象となり、全員腎生検に同意した。その結果4例ともIgA腎症と診断され、病期としては予後比較的良好群3例、比較的不良群1例であった。予後比較的不良群を含む3例は扁桃肥大も示しており、扁桃摘出+ステロイドパルス療法の良好な適応であったため,両親とも相談の上、本療法を施行した。6ヶ月を経過した現在いずれも蛋白尿・血尿ともに消失し、臨床的寛解状態に至り、現在外来にてフォロー中である。IgA腎症で扁桃摘出+ステロイドパルス療法未実施の症例も現在本療法につき考慮しつつ経過観察中である。また、血尿陽性、微量アルブミン陽性(テープ法陰性)の25例については3ヶ月に一度の保健センター外来フォローとしているが、1例は腎炎が強く疑われる状況となり、近い将来腎生検実施予定である。またメタボリックシンドロームを呈していた学生が3例見られ、肥満に対する指導を継続している。今後これらの学生を経過観察し、発症を早期に検出するシステム構築に取り組む予定である。
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