2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650202
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
守山 敏樹 Osaka University, 保健センター, 教授 (30283815)
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Keywords | 早朝第一尿 / 随時尿 / 肥満関連腎症 / IgA腎症 / 受診率 / 蛋白尿 / 血尿 / 腎生検 |
Research Abstract |
平成19年度学生定期健康診断受診者総数15899名中、一次検尿(随時尿)にて血尿・蛋白尿の一方またはいずれが陽性であったものは991名であり、検尿異常出現率は6.2%であった。血尿蛋白尿の陽性率は男子で血尿1.6%、蛋白尿2.5%、女子では血尿1.4%、蛋白尿2.4%と同程度の陽性率を示した。二次検尿(早朝第一尿)にて、一次検尿異常者に対して、蛋白尿では男子2.6%、女子7.6%、血尿で男子10.2%、女子10.4%の陽性率を示した。二次検尿の受診率は蛋白陽性者で87%、潜血陽性者で81%であった。早朝第一尿を一次検尿に用いることで疑陽性をのぞくことが可能となり、健診の効率が向上すると考えられる。 二次検尿受検者でさらに異常が持続したものは男子75名、女子26名であり、これらの学生に対しては三次の精密検査を実施した。一方、二次検尿未受検者のうち、腎炎の可能性が高いと考えられる蛋白、潜血両者陽性のものが14名含まれたが、状況確認のため、連絡をとる努力をした。このうち2名は前年度までの本学健診にて発見され、腎生検にて腎炎が確認され治療中のものであった。また残りのうち4名も腎炎にて治療中とのことであった。何度か連絡しても未受診や連絡がとれない学生への対応は今後の課題である。 三次精密検査では男子のうち、55名が潜血のみ陽性であったが、これらのうち微量アルブミン陽性者については腎炎初期の可能性を念頭に3ヶ月に一度程度の経過観察を実施した。そのうち1名は蛋白もテープで陽性となり、腎生検の結果IgA腎症と診断された。蛋白尿のみ陽性者では、3名が肥満関連腎症疑いとなり、治療中である。女子では26名の三次精密検診対象者のうち6名が蛋白・潜血両者陽性であったが、内2名は腎生検実施し、IgA腎症と判明し治療中である。蛋白または潜血単独陽性者には現時点で腎炎、肥満関連腎症は見いだされていない。
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