2005 Fiscal Year Annual Research Report
園芸活動を媒介とした介入が,高齢者と介護者双方の健康行動とQOLに与える影響
Project/Area Number |
17650207
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青山 宏 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10299802)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 式穂 専修大学北海道短期大学, 園芸緑地科, 講師 (50369237)
|
Keywords | 園芸 / 高齢者 / 健康行動 / QOL / 介護者 |
Research Abstract |
高齢者人口が増す中で、園芸療法(Horticultural Therapy : 以下HT)が高齢者の健康状態を改善するための1つの介入方法として注目されている。我々が行っているHTがもたらす、高齢対象者と介護者双方への健康行動とQOLの効果について検討した。高齢対象者は、養護老人ホーム入所者で、研究目的の説明を受け、HTの対象者となることに同意した男性3名、女性5名、72歳〜89歳(平均年齢79±5歳)であった。介護者は、短期大学園芸緑地科の学生で、HTの実習を受講している14名であった。その内訳は、男性9名、女性5名であった。選出した高齢対象者8名を4人ずつ2グループに分けてHTを実施し、介護者は2名一組で一人の高齢対象者の援助を行った。回数と期間は計12回、3ヶ月間とした。評価手段は、PGCモラールスケールなど4つの既存の評価スケールを使用した。3ヶ月間におけるHT介入の結果、高齢対象者のQOL効果に関しては、開始時と終了時評価の変化において、HT介入後にPGCで得点が有意に上昇し、GDSでは有意に減少した。このことからHTが高齢者のQOLやうつという精神面への改善をもたらしたことが明らかとなった。介護者のQOL効果に関しては、援助活動後にWHO QOL26の得点に有意な差が見られ、QOL向上に効果をもたらすことがわかった。これは、援助活動の関わりを通して、高齢対象者の変化を目の当たりにしたことが、価値観に影響を与えたものと思われる。次年度は、高齢者、介護者双方の健康行動とQOLについて事例数を増やすとともに、変化の要因について検討したい。
|