2006 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧関連遺伝子多型解析からみた運動誘発性高振幅血圧日内変動の発現と消失の予側
Project/Area Number |
17650208
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 尚彦 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80175132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00318122)
坂本 静男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00266032)
橋本 俊彦 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師 (60266830)
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Keywords | 高血圧 / 遺伝子多型 / 運動 / 血圧 / 日内変動 |
Research Abstract |
近年、高血圧に対する運動療法の有用性が報告されている。すなわち、最大酸素摂取量の50%に相当する運動量を一日30分あるいは一日おきに、60分行うと10週間後には有意に血圧が低下することが明らかになり、高血圧の運動療法が推奨されるに至った。しかし、運動の急性負荷が血圧の日内変動に及ぼす影響については、その報告が乏しい状態である。今回、トレッドミル負荷が血圧日内変動に及ぼす影響を検討することを目的とした。対象は、血圧正常者14人で、男性9人女性5人(23〜49歳:平均年齢33.7歳)である。方法は、携帯型自動血圧計(ABPM)を用い、30分間隔で24時間の血圧・心拍数日内変動をトレッドミル運動負荷試験の前後で各24時間、計48時間の記録を行った。トレッドミル運動負荷試験は、Bruceプロトコルでsymptom-limited法にて行った。解析は、single cosinor法により、運動負荷前後の血圧・心拍数の統計学的に計算されたリズムの中線(MESOR)、振幅(Amplitude)を算出した。結果:対象者全体では運動負荷後の心拍数のMESORの上昇が認められたが、血圧のMESORは変化なかった。double amplitude(2×amplitude)は血圧・心拍数ともに差が無かった。しかし、両親のいずれかが高血圧歴を有するか否かでamplitudeの大きさを比較検討すると、両親どちらかに高血圧歴を有するものではトレッドミル運動負荷後に収縮期血圧のamplitudeが負荷後で有意に高かった(p<0.05)。また、トレッドミル運動負荷時の最大収縮期血圧と運動負荷前後のamplitudeの差に正の相関が認められた。結語:運動による血圧上昇度や収縮期血圧24時間変動への影響には何らかの遺伝的要因の関与が示唆され、これらの変化が高血圧発症の発症予知因子になる可能性も考えられた。
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