2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650212
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
服部 伸一 関西福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (20299142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正 関西福祉大学, 保育学科, 准教授 (30249536)
江原 寛昭 関西福祉大学, 保育学科, 准教授 (90283986)
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Keywords | 乳幼児 / メディア接触 / 背景要因 |
Research Abstract |
平成18年度は,乳幼児のメディア接触に関する基礎研究と本調査の実施に向けた予備調査の分析を中心に研究を行った。まず,基礎研究としては,1990年代以降の我が国における乳幼児のメディア接触に関する研究並びに小児科学関連の学会勧告をもとに,研究上の論点整理を行った。その結果,以下の3点の検討課題が見出された。 1.1980年代以降,繰り返し視聴が可能なビデオ・DVDが各家庭に急速に普及し始めて以来,育児の方法に留意すべき変化が生じている。現代の育児はメディアに依存しがちであり,乳幼児期の母子関係を中心とした応答的な養育環境についての問い直しが必要である。 2.乳幼児のメディア接触に関する関連諸学会の提言について批判的に検討した。現在までのところ,議論の前提となるメディア接触と乳幼児の発達との因果関係は十分に実証されているとは言えず,長期の縦断研究によってこれを科学的に解明する必要がある。 3.テレビ・ビデオ視聴時間の測定方法に関して,「ながら視聴」,「専念視聴」などの視聴形態の違い,生活記録による日誌方式とアンケート調査による測定時間の相違について検討する必要がある。 次に,予備調査の結果から,本調査で用いる「養育態度尺度」についての検討を行った。因子分析により,「受容・関与」因子11項目,「厳格・監督」因子6項目が抽出された。内的整合性を検討するためにα係数を算出したところ,養育態度17項目全体としては,α=0.79,「受容・関与」因子でα=0.84,「厳格・監督」因子でα=0.65となった。母性意識尺度(大日向,1988)との外的基準関連妥当性も検証され,本調査での分析視点となりうることを確認した。 平成18年10月からは,岡山県倉敷市において歯科検診時を活用した本調査を実施し,1100程度の資料(データ)を収集した。現在,その集計と分析作業を実施している。
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Research Products
(2 results)