2005 Fiscal Year Annual Research Report
英国にみる高齢者施設の機能を有する歴史的建築物の保存・活用に関する萌芽研究
Project/Area Number |
17650215
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山岸 明浩 信州大学, 教育学部, 助教授 (80230340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 文子 信州大学, 教育学部, 助教授 (10377616)
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Keywords | 高齢者施設 / 歴史的建築物 / 保存・活用 / 英国 / 住生活 / 寒冷地 / 温熱環境 |
Research Abstract |
平成17年度においては,事前調査と冬季調査のため英国・スコットランドに2度赴き,以下の研究内容を実施した。 1.活用実態調査 歴史的建築物の高齢者施設としての活用状況を把握するために,研究対象であるケアンドゥが立地する英国のヘレンズバラにて調査を行った。高齢者施設として現在も活用されている歴史的建築物のため,調査は主に施設の概要とインテリアの保存状況などに関するヒアリングを,建築物の現オーナー,マクドナルド氏に対して実施した。さらに,建築物の状況をあらわす効果的な資料として,デジタルカメラによる設備・インテリアの記録を行った。 2.オリジナル資料収集 ケアンドゥの歴史的なオリジナル資料の収集を行った。現在までの保存・活用の経緯を明らかにするために,ヘレンズバラ図書館の司書,デービス氏の協力を得て,ケアンドゥの改修に関わる設計資料の調査を実施し,オリジナルの設計図書を発見・収集した。また,研究対象を含む英国における歴史的建築物の保存・活用を行っているヒストリック・スコットランド,およびRCAHMS(Royal Commission on the Ancient and Historical Monuments of Scotland)での調査を実施し,資料の収集を行った。さらに,ミッチェル・ライブラリー,グラスゴー大学図書館において本研究の関連資料の収集を実施した。 3.冬季住環境調査 高齢者施設の住環境要素の内,特に居住者の健康に深く関係する温熱環境の測定を実施した。ケアンドゥにおける実測は,オーナーの意向(施設のプロパガンダに関する憂慮)により協力が得られなかったため,研究対象と同じ建築家W.Lieperにより同地域・同時期に建築された2棟の住居を発掘し,これらに対する冬季実測を行った。本研究の目的を考慮し,2棟の内,1棟は高齢者が居住する住居とし,データの収集を実施した。
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