2005 Fiscal Year Annual Research Report
生涯発達心理学と時間生物学の融合による定年退職後の適応支援システムの開発
Project/Area Number |
17650218
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
氏家 達夫 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (00168684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 一彦 福島大学, 理工学群共生システム理工学類, 教授 (20192726)
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Keywords | 定年退職 / 抑うつ / 生活時間 / 時間生物学 / 睡眠リズム / 活動リズム / アイデンティティ / 認知能力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、定年退職に伴って起こる心身の不調を、定年に伴って起こる生活時間の変化との関連で捉えようとするものである。具体的には、生活時間の変化は、睡眠と活動のリズムを変調させ、それへの適応過程で、それへの適応の悪さが心身の不調のおもな要因となる、という仮説のテストが行われる。と同時に、定年退職に伴う心身の不調を、定年退職にともなう自己アイデンティティの混乱として説明できるという対立仮説のテストも行われる。そのために、本年度は、次の3つのことを行った。 (1)予備調査:定年退職してしまった人々を対象として予備調査を行い、定年退職期における自己アイデンティティの状態や時間展望を測定するための尺度を構成した。 (2)第1回目の調査:名古屋市を平成18年3月で定年退職する予定の男女500名を対象に、第1回目の質問紙調査を実施した。測定したものは、1週間の睡眠リズム(夜間睡眠と昼間睡眠)と生活時間、時間構造及び時間処理能力、自己アイデンティティの状態や時間展望、抑うつ感や心身症状、睡眠の質であった。そして、来年度4月以降、継続的に調査に協力してくれる人を選び出した。なお、第1回目の抑うつ感や心身症状、睡眠リズム(夜間睡眠と昼間睡眠)と生活時間は、定年前の状態を表しており、ベースラインとして利用される。 (3)第2回目の調査:18年3月に、4月で定年退職になる調査協力者に、第2回目の調査用紙を配布した。この調査の回収は、4月中旬を予定している。 第1回目の調査結果は、18年8月に、アメリカ合衆国ニューオーリンズで開催されるアメリカ心理学会で発表する予定である。
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