2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650220
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 祐子 東京家政大学, 家政学部, 助手 (60408268)
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Keywords | 水質汚濁浄化 / 酵素 / 微生物 / 染色廃水 / 人間生活環境 |
Research Abstract |
近年の環境に対する社会的関心の高さから廃水の着色が問題視され、新しい廃水処理技術の確立が必要となってきている。繊維染色や染料合成工場からの廃水は着色が濃く、多くの染料・助剤・薬剤が含まれ水質・水量の変動も著しい。また、染料色素は本来退色が起こらないように作られるため、一般に分解されにくいと言われている。 片山らは、ビリルビンオキシダーゼを用いて銅フタロシアニン系、アントラキノン系及びアゾ系の染料について効率よく脱色することを報告している。 そこで、固定化酵素を利用する廃水処理の前段階として、このビリルビンオキシダーゼ(BO)を用いて銅フォルマザン系(B220)及びジスアゾ系(R299)の2種類の染料について脱色実験を行った。 B220及びR299の2種類の染料についてBOを利用し、染料水溶液の反応温度(20℃と37℃)及びpH(3、未調整(pH6±0.2)、8.4、10)の条件を変えた時の脱色反応について紫外及び可視部吸収スペクトルを測定し、各染料の極大吸収波長における吸光度変化から脱色率を算出した結果、 ・B220は、BO添加直後からすぐに色の変化が生じ、添加1時間後には青色が無くなり、薄い黄色の水溶液に変化した。 ・R299は、BO添加後、時間が経過するにつれ徐々に赤色が薄くなっていくが、色相の大きな変化は見られず完全に脱色することは出来なかった。 両染料において、反応温度(20℃と37℃)及びpH(未調整(pH6±0.2)と8.4)の条件を変えても脱色率にほとんど差は見られなかった(B220で98%、R299で81%)ことから、BOは2種類の染料水溶液のpHを調整する必要はなく常温で効率よく脱色させることを確認した。 今後、酵素を固定化し効率よく染料廃水を脱色するシステムを構築する予定である。
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