2005 Fiscal Year Annual Research Report
母乳哺育を阻害する母親の食事因子の解明とその乳汁成分の変化について
Project/Area Number |
17650226
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
篠原 久枝 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (40178885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 望 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90232959)
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 講師 (30284821)
菅沼 ひろ子 宮崎県立看護大学, 教授 (40405585)
松原 まなみ 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (80189539)
藤井 良宜 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
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Keywords | 母乳哺育 / 乳房・乳頭トラブル / 乳腺炎 / 乳汁うっ滞 / 食事因子 / 総脂肪 / 脂肪酸 / 乳糖 |
Research Abstract |
母乳育児を推進する上で,産褥期の「乳腺炎」「乳汁うっ滞」などの乳房・乳頭トラブルは母乳哺育の阻害要因となりうる。乳房・乳頭トラブル発症の原因として,授乳間隔の不規則さや児の飲み方などがあるが,母親ならびに助産師の経験則から,ある種の食品は乳汁うっ滞や乳腺炎を引き起こしやすいことが知られている。 そこで,本研究においては「乳汁うっ滞」「乳腺炎」発症と食物摂取の関連を明らかにするために,調査協力の得られている産院において,産後の乳房マッサージに定期的に訪れる方と,乳房・乳頭トラブルを起こして訪れる方の中で,調査の主旨に同意し参加協力の得られた方に対して,食習慣調査,乳房・乳頭トラブル発生調査と乳汁の成分分析を行うことを目的とした。乳腺炎の発症は,産後2,3週から4ヶ月以内に多発し,授乳中の母親のおよそ10〜30%に発症するといわれているが,協力いただいている産院では乳房管理がよく,乳房・乳頭トラブルの発症例が少ないため,現在も精力的に研究を続行中である。今年度は特に,乳汁成分の分析法の確立を中心に研究を進めた。総脂質量は母乳サンプル5mlをレーゼ・ゴットリーブ法で脂質抽出後,恒量値測定を行い算出した。脂肪酸は脂質抽出したサンプルをメチル化し,ガスクロマトグラフィーで測定した。粗タンパク質量は母乳サンプル0.5mlをミクロケルダール法で分解後,微量拡散法(conway法)で滴定し,含まれる窒素量を測定し,タンパク質換算係数である6.38を乗じて算出した。乳糖は母乳サンプル5mlを80%エタノールを用いて抽出し,遠心後の上清を高速液体クロマトグラフィーで測定した。その結果,総脂質ならびに粗タンパク質量健常者の左右乳房の平均値と乳腺炎患者の患側乳房との間に有意な差は認められなかった。脂肪酸ならびに乳糖については健常者と乳腺炎患者で差のある傾向が見られ,現在追試を行っている。食事調査についてもサンプル数を増やして解析中である。
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