2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650243
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉立 徹 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (80144806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前原 俊信 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50190319)
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Keywords | 宇宙線観測装置 / フラッシュチェンバー / ネオン管 / 理科離れ / 中学高校生向け教材開発 / 素粒子と宇宙 |
Research Abstract |
中学高校生の理科離れ阻止対策の一案として、本研究では、大学教員が中学高等学校へ手軽に持参することができるポータブル宇宙線観測装置を開発し、高大連携活動、出前授業や模擬授業に「自らの目で不思議な現象を見る」実験を組み込み、彼らが「自ら自然の面白さを体感する」ことを目指す。 ネオンガス封入ガラス管型ホドスコープ・チェンバーを設計製作した。構成要素は、ネオン管、構造体、トリガー検出器、トリガー回路、パルス高電圧発生回路である。ネオン管は、アルゴン混合ネオンガスを外径10mm、長さ250mmのガラス管に封じ切った。25本のネオン管を一列に並べ、1mm厚のアルミ電極板でサンドイッチ状に重ねる層構造を筐体に組み込む。装置全体を挟むよう上下のシンチレーション検出器で宇宙線入射を検出するトリガーを形成し、高速高圧トランジスタースイッチを使って約2kVの高電圧を100マイクロ秒間印加した結果、綺麗な飛跡を肉眼ではっきり見ることができた。 日本学術振興会平成17年度研究成果の社会還元・普及事業「ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜KAKENHI」に本研究代表者を代表として応募する。幸運にも採択され、広島大学東千田キャンパスに於いて11月23日、高校生41名、保護者6名、中学高校教員2名を集め、「素粒子と宇宙への招待」(HT128)と題する公開講座を行った。午前中は3題の講演を行い、午後には本観測装置を使った初めての体験実験を行った。参加者は、最初は何が見えているのか全く思いつかなかったようであるが、説明を受ける従い次第に理解し関心を示した。なお、同会場は理学研究科を置く東広島キャンパスから40kmほど離れており、本観測装置のポータブル性と車両移動に耐える構造を立証することができた。
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