2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17650243
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前原 俊信 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50190319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔦岡 孝則 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10231432)
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Keywords | 宇宙線 / ネオンホドスコープ / 出前実験 / ポータブル / 高校生 |
Research Abstract |
本年度は,宇宙線観測装置(ネオンホドスコープ)をさらにポータブルにするための改良と,装置の評価を行った。 (1)同時判別回路の製作 これまではNIMモジュールを用いて2つのシンチレーションカウンターパルスの同時判別を行っていたが,これをTTLを用いた回路で実現し,これまでと同様の動作となることを確かめた。 (2)教育評価 大学1年生を対象に模擬授業を行い,アンケート調査によって,宇宙線に関する一般的な知識の程度と本研究において開発された宇宙線観測装置の効果について検証した。 その結果,宇宙から放射線が到来することは知っている人が多かったが,普段μ粒子を浴びていることを理解している人は少なかった。この点を宇宙線観測により改善できることを明らかにした。また,観測装置が宇宙線の理解に役立ったとの評価も得た。 (3)高圧パルス発生回路の試作 ネオン管に高電圧をかけるための高圧パルス発生回路は,市販のトランジスタスイッチを用いて実現していたが,高価であるため,空気ギャップスイッチを用いて安価な回路を試作した。やや不感応時間ができるが,実用に耐えるものとなりそうであることが明らかになった。 このように,本研究において開発した宇宙線観測装置は,重量が大きいものの,一応,ポータブルであり,出前授業に使用できるレベルのものになった。高校生を対象とした研究紹介の公開講座にも利用し,高校生に興味を持たせることができることも確かめた。
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