2005 Fiscal Year Annual Research Report
子ども向け「こころの科学」教育:科学的思考力を育む知覚学習キットの開発研究
Project/Area Number |
17650255
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
石口 彰 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (10184508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 まさみ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 講師 (00334566)
田中 美帆 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (50345419)
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Keywords | 子ども向け「こころの科学」 / 科学的思考力 / 知覚学習キット / 科学教育 / 体験型学習 |
Research Abstract |
1)「こころの科学」授業実施説明会:都内某区教育委員会に出席(5月)。小・中学校の校長先生を対象に「こころの科学」(『知覚の不思議を体験しよう-実験でみるこころの科学-』)授業について概要を説明。高い関心を得られたが、小学校では年度内のカリキュラムが全て決定しているため、授業の実施は見送るとの結論に至った。中学校から、「選択理科」の時間に「出前授業」をしてほしいとの要望が出た。出前授業の実施に向けて、実施検討会、および、授業研究会を開くことを決めた。 2)実施検討会・授業研究会の開催:中学校・理科の先生5名と、授業の実施にむけて検討会および研究会を開催(6月)。対象学年・授業レベル・時間配分・実験材料など、授業の具体的方向性および実施校を設定した。出前授業を実施する前に、先生方を対象に模擬授業を行うことを決めた。 3)「こころの科学」模擬授業の実施:中学校・理科の先生を対象に「こころの科学」模擬授業(プレゼンテーション)を実施(8月)。実際の授業時間、実験手順に基づいて授業を行い、内容の修正、改善を図った。また、今年度秋に都内某区立中学校1校にて、授業を実施することが決まった。 4)「こころの科学」授業の実施:都内区立中学校にて、12月1日、8日の選択理科の時間(約45分×2回)に、中学3年生16名を対象に、「"ものの世界"と"見えの世界"-錯視体験を通して学ぶ-」と題して、出前授業を行った。1週目は、錯視例(ハーマンの格子、カニッツァの三角形、エビングハウスの錯視、他)を通して、物理世界と知覚世界が異なることを「体験する」と同時に、ミューラー・リアの錯視図形を使って錯視量を「測定する」ことを行った。2週目は、さらに他の錯視体験(ベンハムのコマ)や知覚現象(両眼立体視)を通して、ものを見る「しくみ」について考えることを行った。授業の前後(1週目の授業前と2週目の授業後)にアンケートを行い、「見る」「脳」「こころ」「測る」といった関係について、理解変化を調査した。調査結果をまとめ、現在、学会誌へ投稿準備中である。引続き、対象を拡大して授業を行う。 その他)「こころの科学」出前授業活動:群馬県立女子大学が推進している「一般向け教育活動」と連携して出前授業を行った(11月)。県内某校にて、「視覚の不思議を体験しよう」と題して、小学生から中学生の計30名を対象に授業を行い、子どもたちの感想をまとめた。
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