2006 Fiscal Year Annual Research Report
子ども向け「こころの科学」教育:科学的思考力を育む知覚学習キットの開発研究
Project/Area Number |
17650255
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
石口 彰 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (10184508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 まさみ お茶の水女子大学, 大学院人間文化研究科, 講師 (00334566)
田中 美帆 群馬県立女子大, 学国際コミュニケーション学部, 講師 (50345419)
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Keywords | 子ども向け「こころの科学」 / 科学的思考力 / 知覚学習キット / 科学教育 / 体験型学習 |
Research Abstract |
1)「こころの科学」授業-実践と教育効果: お茶の水女子大学・サイエンス&エデュケーションセンターと北区が共催する「理科実験教室」において、中学生(2、3年生)を対象に、ミューラー-リヤーの錯視実験キットを用いた「こころの科学」授業を実施した。学習のねらいは、(1)錯視の体験を通して、人間の知覚現象そのものに興味をもたせる、(2)実際に錯視量を測定することにより、物理世界と知覚世界が異なることを実感させる、(3)錯視の仕組みを問うことにより、人間は目でものを見ているのではなく、目を通して脳でものを見ていることを学ぶ、(4)科学の対象は、物理世界(自然科学)に限られたものではなく、人間の反応や行動も科学の対象(人間科学)になり得る、ということを導く点にあった。受講者40名(20名募集のところ、40名の応募者)の学習効果を検証した結果、もともと科学に対する興味の高い生徒たちであったにも関わらず、授業後、科学や脳に対する興味・関心がさらに高くなった(p<.05)と同時に、学習のねらい(4)に関する具体的な記述(理解の展開)も確認された。 2)錯視実験キットからe-learningプログラムへの展開: 錯視実験キットを用いた実践研究の成果に基づいて、Web上で実行できる錯視実験ツール(アプリケーション)を開発および改良中である。本実験ツールを用いた実践授業は、今年度、都内中学校(B区、M市、他)で行う予定である。 3)研究成果の発表: 池田まさみ・田中美帆・石口彰2006「こころの科学教育-錯視を通して学ぶ"ものの世界"と"見えの世界"日本心理学会第70回大会発表(福岡)
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