2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア利用の外国語学習プロセスにおける映像支援効果の解明
Project/Area Number |
17650262
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
宮本 節子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60305688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 徹 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90177890)
柳 善和 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40220181)
今井 裕之 兵庫教育大学, 言語系教育講座, 助教授 (80247759)
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (50387479)
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Keywords | 第2言語習得 / マルチメディア / 視線行動 / 理解と記憶 / 脳科学 |
Research Abstract |
本研究では第2年度として、光トポグラフィ実験と視線行動実験を連動させ、そこから得られる量的データと質的データを統合的に解析する方法を検討した。 1)視線軌跡(質的データ)を視線移動距離と速度(量的データ)に変換する方法を開発した。 宮本・土川・坂本(2006)では、視線軌跡という質データを量に換算する手法を開発し、その妥当性を検証した。高精度の二次元座標値を基に、1)視線行動パターンを選定、2)視線移動経路(始点と終点の座標間の距離を三角法で算出)、視線移動速度(距離を移動に要する時間で除す)を算出。3)パイロット実験により視線移動経路・視線移動速度と理解、ストラテジーの関係を検討。その結果、熟練者と非熟練者では、視線移動経路と視線移動速度に違いがあることが明らかになった。 2)事後テストとしてのリコールテストの質的分析手法を開発した。 記憶想起にはストラテジーが関係する。そこで、量(記憶命題数)だけでなく、質(どのように想起したか)を分析する方法を検討し、論理性、順序性、正確性(内容関連性)、情報源(ソースメディア)の4水準を設けた。リコール分析結果と、生理学的データ(視線、脳血流量)、面接データの統合を試みた結果、マルチメディア提示に特有の読解ストラテジーが存在することが示唆された(今井他、2006;木下他、2006)。 3)光トポグラフィとアイマークレコーダーの同期実験の手法を開発した。 実験時にPC内部に蓄積される操作履歴のタイムスタンプを基準に、光トポグラフィデータと視線行動データを時系列に結合できることがわかり、これをパイロット実験で確認した。 4)視線行動分析ソフト(EMR-dFactory ver.1.1,2005)を用い、さまざまな実験刺激で、解析の可能性とその有効性を調べた。 第3年度には、これまでの結果を基に、量と質データの統合解析の方法を開発する。
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