2006 Fiscal Year Annual Research Report
学生のモチベーションを向上する授業改善システムの研究開発
Project/Area Number |
17650265
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
原野 智哉 阿南工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20332067)
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Keywords | モチベーション / 授業 / PBL / 実験実習 / アンケート / ものづくり / 創造力 |
Research Abstract |
○在外研究に伴うイリノイ大のものづくり教育と機械系イリノイ大生の意識調査 独立行政法人高等専門学校機構の在外研究員として,イリノイ大学工学部機械生産工学科に平成18年3月27日〜平成19年2月22日までの約11ヶ月間の滞在中,ものづくり教育への取り組みと機械系イリノイ大生の意識調査を行った.まず,デザイン系科目の講義内容は質が高く,量が多く,講義進度も早いが,ホームワークには実践的課題を与え,講義中にチーム課題を課してディスカッションを行わせるなど,理解と応用実践が身につくよう工夫してある.イリノイ大機械生産工学科では,日本の大学・高専で実施される講義(理論)と実験(体験)を分離実施する形態とは異なり,実験(体験)と講義(理論)が同じ専門科目コース内で学べるよう座学と実験を実施している.ただし,コース運営負荷が高いため,2〜3名の専門教員と3〜4名のティーチングアシスタントにより運営されている.さらに,4年生で行われるシニアデザインプロジェクトの実施形態および受講生の意識調査を行った.シニアデザインプロジェクトは企業問題解決テーマが約50%を占める,より実践的なPBL(Problem/Project-Based Learning)である.シニアデザインプロジェクトでは,プロジェクトに必要な知識を1時間/1週間ほど講義を併行して実施し,その評価法は細部に渡り,日誌評価まで取り決めされている.シニアデザインプロジェクト受講生の意識調査を研究代表者が考案した方法により実施したところ,本校機械工学科3年生と比較して「デザインプロジェクトが技術者として重要である」という意識が非常に高いことが明らかとなった.また,デザインプロジェクトへのモチベーションが高い原因をさらに調査・分析したところ,就職後の職種・高い給与・地位へのキャリア意識が高く,そのために理解を促進し,実践力を身につけるためのディスカッションを多用する背景が明らかとなった.本校においても,講義への理解促進と実践力を向上させるために講義あるいはホームワークにディスカッションを多用させることが必要不可欠であると考えられた.
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