2005 Fiscal Year Annual Research Report
文字のデジタル化とローマ字入力の性質及び日本語の音韻感覚に及ぼす影響の解明
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17650269
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
佐賀 啓男 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (30196109)
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Keywords | 文字 / デジタル化 / ローマ字入力 / 日本語 / 音韻感覚 |
Research Abstract |
「文字のデジタル化とローマ字入力の性質及び日本語の音韻感覚に及ぼす影響の解明」は、コンピュータを用いたデジタル変換やそのネットワーク化による文字の読みと書きが、人間の言語使用と存在意識にどのような影響を及ぼすか、また、特にコンピュータにおけるローマ字入力が、日本語の音韻感覚にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とした。具体的には、 (1)言語哲学的、言語歴史学的な考察によって、コンピュータによる文字のデジタル処理とそのネットワーク化の性質を解明する。 (2)大学生を対象とする質問紙調査によって、文字の入力方式(ローマ字入力またはかな入力)と、手書きで書く際の文字の忘却の実態を明らかにする。また、ローマ字入力とかな入力における日本語の音韻感覚に与える差異をSD法によって明らかにする。 (3)入力方式の変換(ローマ字入力の者はかな入力へ、かな入力の者はローマ字入力へ)の実験を行い、事後のインタビュー調査により、それぞれの入力方式の認知的負荷と日本語の書きとの適性を比較評価する。 3年計画の初年度である17年度は言語哲学的、言語歴史学的な考察によって、コンピュータによる文字のデジタル処理とそのネットワーク化の性質を解明することをめざし、M.ハイデガー、W.オング、M.ハイムの論考によって分析を進め、対象の機制をほぼ明らかにした。また、次年度への準備のために、文字の入力と日本語の音韻意識に関して51名対象のアンケート調査と3名対象のインタビュー調査を実施した。これらにより、当初の目的を十分に達成した。
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