2006 Fiscal Year Annual Research Report
小型水田ライシメータを用いた迅速農薬動態解析システムの開発
Project/Area Number |
17651006
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡邊 裕純 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 講師 (80323757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 和広 農業環境技術研究所, 有機化学研究領域, 主任研究員 (70354074)
西村 拓 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 准教授 (40237730)
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 助手 (20262230)
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Keywords | 水田 / ライシメータ / 農薬動態 / モデル / パラメータ / モニタリング / PCPF-1 / 浸透 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小型水田ライシメータと水田農薬動態予測モデルを併用して迅速に農薬動態の解析またはそのパラメータを設定する農薬動態迅速解析システムの構築である。 平成18年度は小型ライシメータの構築を完成させ、農薬動態モニタリング試験を行った。水田土壌環境および水収支を再現するため、確立した小型ライシメータの土壌充填方法に従い準備を行なった。本学農場水田での2003年度行なった、圃場実験の結果より、止水管理シナリオと常時灌水を行なうかけ流しシナリオの2つをモデルシナリオに、設定した。モニタリング試験は1シナリオに3基のライシメータを用い、農薬散布(シメトリン、ベンチオカルブ、メフェナセット)、田面水深、灌漑、排水、浸透をそれぞれのシナリオで再現した。止水管理シナリオにおいては、解析が完了したが、他のシナリオは解析途中である。止水管理における小型水田ライシメータでの試験結果においては、トレーサーを用いた試験で、17.5cmの土壌からの浸透水中の濃度ピークが3基のライシメータで約17日目に検出された。このことにより、ライシメータの土壌充填が良好にできたと考えられた。また、田面水中の農薬濃度の推移に関しては、初日の濃度を除いては、ライシメータ間のばらつきは少なく、また3薬剤とも、実際の水田圃場の濃度推移を高い精度で再現することができた。 次に圃場での農薬動態モニタリングでは、最近水稲生育期初期の殺虫剤散布の主流となった箱苗剤を用いてモニタリングを行なった。平成19年度は、小型水田ライシメータによる箱苗剤の試験、および農薬動態パラメータを特定するための逆解析プログラムを含めた本システムの完成を目指す。
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Research Products
(8 results)