2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物代謝による固化する新しいグラウトの開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17651035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 了 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00304022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広吉 直樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50250486)
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Keywords | 微生物 / 固化 / グラウト / バイオグラウト / 炭酸カルシウム / シリカ / 地盤改良 / 透水係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,微生物代謝を利用した安価で環境に優しい新たなグラウト(以下,バイオグラウトと呼ぶ)を開発し,バイオグラウトの注入前後における地盤(土および岩)の透水・力学特性について評価を行うことである。初年度である平成17年度は,(1)イースト菌および土壌微生物を用いた炭酸カルシウムの析出試験,(2)砂質地盤および粘土質地盤を対象としたバイオグラウト処理による地盤の透水特性の改良試験および透水試験を実施した。 得られた主な知見をまとめると,以下に示すとおりである。 (1)イースト菌を用いて炭酸カルシウムの析出試験を行い,試験時の諸条件である温度,有機栄養源,緩衝溶液が炭酸カルシウムの析出に与える影響について検討した。その結果,炭酸カルシウムの析出に関しては,温度が25℃と40℃の違いによる影響は小さいこと,硝酸カルシウム+イースト菌+グルコース+pH8.0緩衝溶液の組合せ時に最も多く析出すること,pH8.0緩衝溶液の使用が不可欠であること,などがわかった。また,析出物のX線回折分析を実施した結果,炭酸カルシウム(カルサイト)の析出が確認された。 (2)北海道大学農場の粘土質地盤中に生息する土壌微生物を用いて炭酸カルシウムの析出試験を実施した結果,炭酸カルシウムの析出が確認された。 (3)イースト菌を用いて砂質地盤および粘土質地盤を対象にしたバイオグラウト処理によると透水特性の改良試験および透水試験を行い,改良試験の前後における透水係数を比較した。その結果,バイオグラウト施工により砂質地盤で約1桁,粘土質地盤で約2桁の透水係数の低下が見られた。 (4)土壌微生物を用いて粘土質地盤を対象にしたバイオグラウト処理による透水特性の改良試験および透水試験を行い,改良試験の前後における透水係数を比較した。その結果,バイオグラウト施工により約1桁の透水係数の低下が確認された。
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Research Products
(7 results)