2005 Fiscal Year Annual Research Report
新エネルギー資源としてのクラスレートハイドレートの相安定性検討
Project/Area Number |
17651038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00271966)
佐原 亮二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30323075)
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Keywords | ガスハイドレート / 熱力学的安定性 / 水素ハイドレート / 自己保存効果 / 核形成メカニズム / 第一原理計算 / 格子力学 / 分子動力学 |
Research Abstract |
平成17年度は以下の4点の研究成果を得た。 1)1つのケージに複数個の有機分子が占有したガスハイドレートの熱力学安定性について研究を進めた。この物質は水素貯蔵の観点から注目を集めている。本研究では独自にプログラム開発を行い、格子力学を用いた手法により熱力学的安定性を、第一原理計算を用いた手法により正確なゲスト-ホスト間の相互作用を解析した。水素ハイドレートの動力学および熱力学的安定性を広い温度・圧力領域において調べ、様々な条件下での最安定ケージ占有状態を見いだした。特に、CS-Iの構造が最大の水素吸蔵能力を持つことを明らかにした。実験ではTHF分子の添加によりガスハイドレートが安定化することが知られている。この結果をもとにH2-CH4-H2O系のCH4添加量による安定性へ寄与を解析した。 2)ガスハイドレートの自己保存効果について多くの研究が実験・理論計算の両面から行われているが、その起源などの基礎的な物性でさえも統一的な理解は得られていない。本研究では自己保存効果についての分子レベルのモデルを提案し、その有効性を検討した。このモデルは氷中にメタンを入れたものであり、メタンハイドレートが分離。融解する温度・圧力下でも安定であることを明らかにした。 3)既知の分子間相互作用のポテンシャルからこれらの化合物の熱力学的関数を求める手法を確立した。これはゲスト分子によるホスト格子およびゲスト-ゲスト間の相互作用への影響を解析できるものである。 4)第一原理計算を用いてカゴ型構造をもつ水分子について系統的計算を行い、メタンハイドレートの核形成メカニズムを明らかにした。
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Research Products
(4 results)