2005 Fiscal Year Annual Research Report
光制御型ゾルーゲル反応と超低温結晶化による有機/無機ナノハイブリッド材料の開発
Project/Area Number |
17651064
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
谷口 貴志 山形大学, 工学部, 講師 (60293669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 辰宏 山形大学, 工学部, 助教授 (60344818)
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Keywords | 光硬化性樹脂 / 酸化チタン / ゾル-ゲル法 / ナノハイブリッド |
Research Abstract |
光照射によるマトリックスの粘度コントロールでTiO_2の分散制御を行うため、光硬化性オリゴマー中で無(水・溶媒)ゾル-ゲル反応によるTiO_2の合成を行った。サンプルとして光硬化性オリゴマーには側鎖にカルボン酸をもつエポキシアクリレート(EPACR)、チタンアルコキシドにはテトラチタニウムイソプロポキシド(TTIP)を用いた。高分子材料とTiO_2を複合化させることで、TiO_2特有の紫外線防御効果を付与できることが知られている。本研究で作製したハイブリッドフィルムは黄色透明であり、紫外線防御効果を示した。ゾル-ゲル反応に必要な水・酸を加えずとも、EPACR中に存在するカルボン酸のみでTiO_2を合成することが可能であることが分かった。モルフォロジー観察よりTiO_2は20nm以下の粒子径で分散していると推察された。しかし、TTIPの充填率が20wt%を超えるとマトリックスが架橋してしまい、硬化前のオリゴマーの流動性が失われたため、光照射によるマトリックスの粘度コントロールを行うことができなかった。これは、反応性の高いTTIPがEPACRと至る所で化学反応してしまい、低分子量のEPACRが高分子化してしまったためであると考えられる。今後、高分子材料の屈折率制御へ展開していくためにはTiO_2の充填率を大幅に増加させた場合でも、マトリックスの流動性を保持しなくてはならない。そのためには、TTIPと光硬化性オリゴマーとの反応性を低下させる必要がある。これは、TTIPの表面積を小さくすることで、反応する場所を少なくできると考えられる。今後の研究では、TTIPからTiO_2へある程度変化させた後に光硬化性オリゴマー中への分散を行う。
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