2006 Fiscal Year Annual Research Report
光制御型ゾルーゲル反応と超低温結晶化による有機/無機ナノハイブリッド材料の開発
Project/Area Number |
17651064
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
谷口 貴志 山形大学, 工学部, 助教授 (60293669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 辰宏 山形大学, 工学部, 助教授 (60344818)
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Keywords | 光硬化性樹脂 / 酸化チタン / ゾル-ゲル法 / ナノハイブリッド |
Research Abstract |
光硬化性エポキシアクリレート(EPACR)とテトラチタニウムイソプロポキシド(TTIP)を用いて、透明で高屈折率なEPACR/TiO_2ナノハイブリッド材料の開発を行った。TiO_2の合成はエタノール中で行い、水・塩酸の量を制御して、一次粒子径が10nm以下の超微粒子を安定に分散させた。その後、硬化前のEPACRオリゴマー中へ分散させた。この際、TiO_2粒子表面にEPACRがグラフトすることでTiO_2粒子の凝集を防ぎ、分散安定性を向上させることに成功した。TiO_2粒子とEPACRの化学結合はFT-IR測定により確認した。前年度では、TTIPとEPACRが至る所で反応してしまったため流動性は失われたが、ある程度TTIPからTiO_2へ変化させることで、反応性を抑制し、TiO_2を24vol%程度まで充填しても、流動性を保持することができた。ハイブリッドフィルムの光学特性として、光透過率は550nm以下の波長領域ではTiO_2の充填率の増加に伴い低下する傾向が見られたが、550nm以上ではEPACR単体と同等の透過率(90%程度)を有しており、ハイブリッドフィルムの外観は黄〜橙色透明であった。屈折率はTiO_2の充填率の増加に伴い、線形的に増加していく傾向が得られた。マトリックスの粘度コントロールでTiO_2の分散制御を行うため、複合化直後、2週間後、4週間後に光硬化させたハイブリッドフィルムの光透過率を測定したところ、ほとんど変化しておらず、TiO_2粒子は硬化前のオリゴマー中で安定に分散していると考えられる。今後、この手法が様々な硬化性樹脂と無機粒子のナノハイブリッド材料の開発に役立つと思われる。
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