2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体酵素の機能を模倣したナノ物質変換システムの開発
Project/Area Number |
17651078
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
多井 豊 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (20357338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 文彦 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 主任研究員 (70356658)
山口 渡 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (30292775)
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Keywords | ナノ粒子 / 酵素 / 触媒 / 電解合成 / 遷移金属 / 層間化合物 |
Research Abstract |
本研究は、ナノ材料の特異な物性を利用し、通常は困難な化学反応を穏和な条件下で実現することを目的とする。平成17年度は、項目(1):ベースとなるナノ多孔体の選定、構造・機能制御の手法確立、項目(2):ナノ粒子の構成元素の選定、作製条件の決定、ナノ多孔体への坦持法の確立、項目(3):ナノ材料の電極化プロセスの確立、反応評価法の決定、の3項目を柱とする研究計画に沿って研究を実施した。 項目(1)については、層状物質の層間に遷移金属錯体を挿入することにより層間隔を拡張、ナノ細孔として利用する手法を採用した。挿入する錯体によって細孔の大きさを制御できる上、錯体や層状物質の構成元素を適切に選ぶことで、多孔体自体に触媒機能を付与できる可能性がある。本年度は、層状物質MoO3にFe(Phen)3などを挿入した多孔体を合成し、ナノ細孔を系統的に制御できることを確認した。 項目(2)については、Auナノ粒子を分散した溶液にナノ多孔体を浸潤することにより、ナノ細孔中にナノ粒子を坦持できることを確認した。Fe、Mo、V、Wなどの遷移金属ナノ粒子については、湿式法による合成を試みているが、これまでのところ成功していない。 項目(3)については、水溶液系電解セルの作用電極としてカーボンペーストにナノ材料を混合して用いる方法、グラッシーカーボンの表面にナノ材料のキャスト膜を作製して用いる方法などを採用した。評価法としては回転リング/ディスク電極法などを採用した。NOの還元反応などを予備実験として行い、十分な検出感度が得られることを確認した。 この他、パイライトFeS2のFeサイトの一部をVで置換した材料の湿式合成を行い、系統的に組成制御ができることを確認した。また、Wナノ粒子の触媒機能による窒素活性化機構について量子化学計算により重要な知見を得た。
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Research Products
(1 results)