2005 Fiscal Year Annual Research Report
におい識別装置による出火元の推定方法に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
17651095
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
須川 修身 諏訪東京理科大学, システム工学部, 教授 (60162856)
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Keywords | 火災 / におい / におい分析 / 焼残物 / 現場採取 |
Research Abstract |
におい識別装置は、9種類のガスを基準ガスとして検量線を作製し、どの種類のガスにどの程度類似した臭いであるのかを多変量解析を用いて解析している。そこで、灯油、トルエンをそれぞれにおい識別装置にて測定を行ったところ、全て芳香族系や炭化水素に類似性が見られ、区別がつかなかった。そこで、9種類の基準ガスに灯油を付け加え10種類としたところ、灯油、トルエンを明瞭に区別できた。さらに、人には臭気として感じられない炭化水素油(アイソゾール)の測定を行ったところ、灯油に高い類似度が見られ、臭気としては灯油と同等の油と判断することができた。 模擬的に作製した燃焼残渣物中の助燃剤をにおい識別装置で測定を行った。試験体をウォータバスにて加熱し、加熱温度を種々(40℃〜70℃)に変化させた。さらに、電熱ヒータにて200℃に試験体を加熱しながらガスサンプリングを行い臭いを測定した。その結果、40℃、55℃、70℃に加熱した場合から効率よく助燃剤のにおい成分を抽出することができた。しかし、200℃に加熱した場合は、他の多くの燃焼残渣物のにおい成分を抽出してノイズ臭となり、助燃剤を判断できなかった。また、燃焼残渣物を40℃、55℃、70℃に加熱した結果のうち1種類の加熱条件だけでは、助燃剤の有無を明確に判断できす、3種類の加熱条件による測定結果を見合わせることにより、助燃剤の有無を判断することができた。 実際に火災現場から採取してきた試験体を「におい識別装置」で測定したところ、試験体中の助燃剤が100ppmオーダーであれば、明確に把握することができた。
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