2006 Fiscal Year Annual Research Report
動物種間で高度に保存されいる肝臓特異的miRNAの進化と機能の解明
Project/Area Number |
17651106
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
森山 耕成 九州女子大学, 家政学部栄養学科, 教授 (10265275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服巻 保幸 九州大学, 生体防衛医学研究所, 教授 (90128083)
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Keywords | ゲノム / 進化 / microRNA / miR / 肝臓 |
Research Abstract |
進化の過程における肝細胞の起源と肝臓特異的microRNA(miR-122)の発現の関連を解明することが目的である.woodchuckのmiR-122前駆体(miR122a-loop-miR-122b)のヘアピン72nt配列を用いて登録されている生物全てを対象にBlast検索をおこなった.その結果,この配列は,現在知られている脊椎動物の中でもっともゲノムが小さい魚tetraodonまで高度(97%)に保存されていた.一方,近傍の配列の系統分析では古典的な進化の系統樹と一致していた.また,保存されている72nt配列は近傍の遺伝子のexonとしては利用されていなかった.tetraodonの上流3.8-kbの配列には,進化の過程で複数の遺伝子断片が挿入され,humanやwoodchuckでは60-kbに分散していることが判明した.したがって,哺乳類のmiR-122はhcr mRNAとして転写後切り出され,tetraodonのmiR-122は上流のNEDD4 mRNAとして転写された後,72nt配列が切り出されていた.ヒトのhcr mRNAの王において米キロbase下流からアンチセンス方向に転写されるHAK mRNAの3'端はhcr mRNAとオーバラップしていることを見出し,HAKがmiR-122の発現を制御している可能性が示唆された.マボヤおよびナメクジウオの肝臓のもととなったと推察される中腸腺でのmiR-122の発現の検討では,その存在は否定的である.
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