2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的アフィニティー担体のプロテオミクス解析への適用
Project/Area Number |
17651112
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高橋 信弘 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (80293017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 一裕 東京農工大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (20227325)
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Keywords | プロテオミクス / アフィニティー担体 / 蛋白質精製 / 蛋白質複合体 / 蛋白質相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフィニティー担体のリガンドを固定するスペーサー部分に電気化学的に共有結合を切断できる化合物を導入し、生体内から特定の蛋白質複合体を特異的に回収するプロテオミクスの手法として確立することである。具体的には、水溶液中でその切断反応が可能な化合物をスペーサーとしたリガンドを固定化したアフィニティー担体を作製し、組織抽出液あるいはタグ融合蛋白質を発現させた培養細胞抽出液から特定の複合体の回収と電気化学的切断による溶出実験を実施することを目的とした。そのために、まず、有機溶媒系で電気化学的形成が可能な化合物をベースとして水溶液中で切断が可能な化合物を既に確立した有機化学的合成の手法を用いて各種の親和性官能基を導入し作製した。その中でジチオアセタールにベンゾイル基を導入した化合物を基に、アフィニティー担体への固定化及びリガンド結合を各種検討するための基本となるジチオアセタールを結合させたベンゾイル基にカルボキシル基を導入し、ジチオアセタール基のチオールで担体に結合させ、カルボキシル基側に各種のリガンドを結合できる、いわばカセット化合物を作製した。合成した化合物を通電できる担体に結合させたアフィニティー用担体を作製し、ビオチンをリガンドとしてストレプトアビジンを結合させ通電で溶出できることを確認した。しかし、アフィニティー担体への結合効率が予想より低いことが判明した。表面へのリガンドの結合密度が高すぎて、分子量の大きい蛋白質がうまくリガンドと結合できないことが考えられ、今後検討が必要である。この化合物が合成できたことで、担体の選定、及び各種リガンドを結合させた担体の作製が自在になると考えられ、今後は、より使いやすい担体の選定、及び他のリガンドを結合させたアフィニティー担体の作製とその利用法の確立を行う。
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Research Products
(1 results)